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テレセントリシティが有利な点
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社

テレセントリシティが有利な点

本ページはイメージングリソースガイドセクション5.1です

The Advantages of Telecentricity

 マシンビジョンシステムの性能を最大化して、素早く再現性の高いタスクを行うために、高精度計測は欠かすことができません。テレセントリックレンズは、最も高い精度を得るために用いられます。本セクションでは、テレセントリックレンズのその独特な性能を解説し、テレセントリシティがシステム性能にどのような影響を及ぼすのかについて解説していきます。

画角がゼロ: 視差エラーを除去

 標準的レンズは固有の画角を持っており、例えばレンズから物体までの距離が離れるほど結像倍率が小さくなっていくという現象が現れます。これは人間の目でも同様に起こり、これにより私達は空間の奥行きを感じています。画角は視差 (parallax) 或いは視差エラー (perspective error)を引き起こし、物体位置がレンズに対して前後に移動した時 (レンズの被写界深度内も含め) に得られるビジョンシステムの計測精度を低下させます。物体位置の移動により、レンズの結像倍率が変わってしまうからです。テレセントリックレンズは、物体がレンズからどれだけ離れても、画角を持たなくさせることで (0度)、標準的レンズが持ってしまう視差エラーを除去しています。このため、テレセントリックレンズで得ることのできる実視野の大きさは、物体の位置に関わらず常に一定です。非テレセントリックデザインとテレセントリックデザイン間の画角の違いは、Figure 1をご覧ください。

Field of View comparison of a Conventional and Telecentric Lens
Figure 1: 標準的レンズとテレセントリックレンズによる実視野比較。固有の画角により得られる標準的レンズの実視野と、画角のないテレセントリックレンズにより得られる実視野に注目。

 テレセントリックレンズで得られる一定サイズの実視野は、ゲージアプリケーションに対してメリットとデメリットの両方があります。テレセントリックレンズの一番のメリットは、物体の深さ方向に対して結像倍率が変わらないという点です。Figure 2は、2つの同じ大きさの物体を作動距離を変えて配置した時 (写真左)、非テレセントリックデザイン (固定焦点レンズ; 写真中央)とテレセントリックデザイン (写真右)で画像がどのように変わるかを表しています。テレセントリックレンズで得られた画像で物体の実際の配置を識別するのは不可能です。対する固定焦点レンズで得られた画像は、レンズからより離れた位置にある物体の大きさが小さく映り、奥行感が明白に確認できます。


Figure 2: 固定焦点レンズの画角は画像内に視差エラーを引き起こし、2つのキューブを異なるサイズで映し出す

 Figure 2の例は、作動距離シフトによる極端なものですが、視差エラーを最小化することの重要性を示しています。検査対象物体がイメージングシステムの実視野内で移動してしまう自動検査タスクの多くは、部品を画像として捉える位置が常に同じになることは殆どありません。レンズで撮像しようとする物体の作動距離が常に同じにならないなら、個々の物体の計測は倍率シフトに応じて変化してしまいます (倍率とその定義を参照)。固定焦点レンズの使用が原因で、結像倍率のキャリブレーションエラーに起因した異なる計測結果を出力するマシンビジョンシステムは、信頼性に乏しく、高精度を求める際には導入が難しくなります。テレセントリックレンズは、ベルトコンベアによる位置変動や物体の位置の不正確性等が原因として生じる、計測誤差に関するこうした問題を解消することができます。

テレセントリックレンズと被写界深度

 テレセントリックレンズは標準的レンズよりも被写界深度が本質的に大きい、という誤った捉え方をされていることがよくあります。被写界深度の大きさは、最終的には使用する波長とレンズのFナンバーに依存しますが、テレセントリックレンズが標準的レンズよりも実用的な被写界深度範囲を大きくできるというのも事実です。なぜなら、テレセントリックレンズの像ボケは、レンズの最良ピント面から前後に対称的に引き起こされるからです。検査対象の部品の位置がレンズに対して前後にシフトする時、レンズ固有の画角 (または主光線)に応じた像ボケが発生します。非テレセントリックデザインのレンズには視差があるため、物体がレンズの最良ピント面から前後に移動すると、像ボケの大きさが前後非対称に生じ、画角の大きさに応じてその結像倍率も変化します。対するテレセントリックレンズの場合は画角がないために、像ボケは前後対称的に起こります。実際問題として、これは輪郭部などの特徴がそのまま維持され、物体がレンズのピント領域外に位置していても、マシンビジョンシステムを適切に作動させてそのアルゴリズムが使用できるコントラスト性能がまだ残っていれば、その位置においても正確な計測が引き続き行えることを意味しています。

 これは直感的に分かりにくいかもしれませんが、テレセントリックレンズを使ったある特定のアプリケーションにおいて、像ボケを意図的かつ効果的に用いることがあります。例えばピンの中心点をマシンビジョンシステムで見つける場合、レンズのピントが合っていれば、Figure 3aに示したように、画像内の白から黒への移行も非常にスムーズになります。これに対して、Figure 3bでは同じピンをわずかにデフォーカスさせています。

The Same Pin Imaged both In and Out of Focus
Figure 3: 同じピンをピントを合した時 (a)と若干ずらした時 (b)の各々の画像。白から黒への移行は、ピントを若干ずらした時 (b)の方がより多くの画素を利用している点に注目。これが有利に働くことがある!

 ピンを横切るように画像の空間階調分布 (グレーレベル)を表示すると、Figure 4に示したピン輪郭部のラインプロファイルから、わずかにデフォーカス させた画像の方がラインの傾きは大分浅くなります。デフォーカスすることで、ピン輪郭部の画像情報がより多くの画素にまたがるためです。しかしながら、テレセントリックレンズの場合、その前後対称的に生じる像ボケから、デフォーカスによる像ボケは中心点検出の際に問題となりません。セントロイドは移動することなく、サブピクセル補間に必要な量は低減されます。またこれにより、センサーノイズによって引き起こされるグレーレベル変動の感度を鈍らせ、ピンの中心点をより信頼性高く、より高い再現性で見つけることができるようになります。

Plot showing the difference in Slope between a Focused and Defocused Edge
Figure 4: ピントを合した時と若干ずらした時の輪郭部のプロット上の違い。デフォーカスした方の輪郭部はより多くの画素を利用している。これは、輪郭部の検出をサブピクセル補間に頼らずに行うことを容易にする。

テレセントリシティとディストーション

 計測アプリケーションにおいてテレセントリックレンズを用いる別の利点に、テレセントリックレンズのディストーション性能が固定焦点レンズよりも一般的に高い点があげられます。ディストーションによって物体本来の位置情報とは異なる位置にそれを映し出し、ビジョンシステムの計測精度を低下させます (更なる情報は、ディストーションの項をご覧ください)。一例として、回路基板上のジャンパーピンをディストーション性能の余り良くない固定焦点レンズで撮像した時の画像をFigure 5aに紹介します。ディストーションと非テレセントリック系レンズによって生じてしまう視差エラーとが相まって、画像周辺側にあるピンは画面中央に向かって傾くように映っているのがわかります。同じジャンパーピンをテレセントリックレンズで撮像すると、Figure 5bに示したように、ピンが真っ直ぐ上方に立って映っているのがわかります。


Figure 5: 回路基板上のジャンパーの比較。Figure 5aは固定焦点レンズで撮影した画像で、Figure 5bはテレセントリックレンズで撮影した画像。テレセントリックレンズの画像ではピンが傾いていないことに注目。

 計測精度を改善するために、キャリブレーションを行ってディストーションを画像から取り除くことは可能ですが、それでも視差エラーは残ってしまうため、計測誤差は依然残ります。キャリブレーションを行ってディストーションを取り除く必要のないテレセントリックレンズを用いる最後の利点は、計測プロセスが素早く実行できる点です。ソフトウェアが処理するプログラムが少なくなる分、CPUの負荷が軽減でき、システムの高スループット化につながります。これにより、単位時間当たりに計測できる部品をより増やすことができます。

 低ディストーション特性を有するテレセントリックレンズは、Figure 6に示したように、固定焦点レンズよりもより非単調なディストーション曲線を描く (波または口ひげのような軌道を描く)傾向があります。検査対象部品の測定に影響を与えるほどの大きさでは一般にありませんが、テレセントリックレンズのディストーション性能を確認して、同レンズを採用するイメージングシステムを適切にキャリブレーションしていくことが依然重要です。またこれは、ディストーションのスペックに関して、カタログ上に記載された単一数値ではなく、なぜディストーション曲線を用いるべきなのかの説明にもなります。なぜなら、像高のある地点ではディストーションの大きさがゼロになり、他の全ての地点ではゼロにならないからです。

Non-Monotonic, or Wave Distortion Typical of Telecentric Lenses
Figure 6: 波または口ひげのような軌道を描くテレセントリックレンズの代表的なディストーション曲線

 物体面が水平ではなく傾斜している場合、テレセントリックレンズはその低ディストーション特性と結像倍率が変わらない点から、固定焦点レンズに置き換わる良質なレンズとなります。傾斜した物体のピントをしっかりと合せるために、カメラ側を傾けて設置することがあり、これをシャインプルーフ状態(Scheimpflug condition)と呼んでいます。シャインプルーフ状態は、Figure 7に示した通り、物体面と像面を傾けることによってマシンビジョンシステムで撮像する深度を拡張するための方法です。従来のレンズでこれを行うと、ディストーションで詳細を解説したキーストーン歪みを招いてしまいます。従来レンズの代わりにテレセントリックレンズを用いれば、深度方向に対して倍率変化が生じないため、キーストーン歪みは起こりません。ただそれでも、物体面を斜めに傾けてしまうことで、例えば円形のものが楕円状に、正方形のものが矩形状に幾何図法的に映ってしまうため、キャリブレーションを行いその形状を補正していく必要があります。

A 1X Telecentric Lens in the Scheimpflug Layout, with Tilted Object and Image Planes
Figure 7: 物体面と像面が傾斜したシャインプルーフ構成での1X テレセントリックレンズ

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