ディストーションとテレセントリシティのスペック
Edmund Optics Inc.

ディストーションとテレセントリシティのスペック

著者: Gregory Hollows, Nicholas James

本ページはイメージングリソースガイドセクション5.2です

 前セクションで解説した通り、視差とディストーションの両方を取り除くには、個々のテレセントリックレンズの性能を理解することが重要な役割を占めます。テレセントリックレンズのディストーションのスペックは、セクション 4.4のディストーションで詳細を説明した通り、TV ディストーションか光学ディストーションのどちらかの異なる計測方法で規定されています。どちらも相対百分率表示でその大きさを規定していますが、同一レンズをTV ディストーションと光学ディストーションの両方で計測した場合、ほぼ全ての場合においてTV ディストーションの値の方が光学ディストーションよりも低くなります。そのため、どちらのディストーションで規定されたものなのかをきちんと理解し、両者を混同しないでおくことが重要です。テレセントリックレンズが光学ディストーションで既定されている場合、レンズが対応可能な最大センサーサイズの最大像高地点での値で規定しています。そのため、レンズが波または口ひげのような軌道を描くディストーション曲線を持つ場合は、規定されたその値が最も高いものになります。しかしながら、その場合においてもそのレンズのディストーション曲線のプロット (例えばFigure 1にあるような)を確認して、ディストーションの値が像高に対してどのように変わっていくのかを理解しておくことが重要です。

Non-Monotonic, or Wave Distortion, Typical of Telecentric Lenses
Figure 1: 波または口ひげのような軌道を描くテレセントリックレンズの代表的なディストーション曲線

 その他の関連したスペックにテレセントリシティがあります。テレセントリシティは一般に角度でその大きさが既定され、レンズの残り画角とある種見なすことができます。残念なことではありますが、“ディストーションがゼロ”や“完全なテレセントリック”というのは実際にあり得ません。1X テレセントリックレンズのテレセントリシティ曲線をFigure 2に紹介します。

Telecentricity Plot for a Typical Telecentric Lens
Figure 2: 代表的なテレセントリックレンズのテレセントリシティ特性

 Figure 2に示した特性には3つの異なる曲線が描かれており、各々の曲線が波長別 (赤、緑、青)のテレセントリシティを表しています。ここで理解しておくべき最も重要なポイントは、テレセントリシティの大きさは波長によって変わり、計測する部品の精度は、検査に用いられる光源の波長 (色)に依存して変わってしまういう現実です。この変動量は、絶対的感覚においては小さなものですが、実現可能な最高精度を追及するシステムを設計する際には考慮しておくべきです。このようなシステムには、単色照明を用いて、しかもテレセントリシティがその設計プロセスにおいて最適化されている波長の照明を用いるのがベストです。適切な照明の使用に関する詳細は、照明方法の正しい選択をご覧ください。

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