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レーザー損傷閾値試験
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レーザー損傷閾値試験

Laser Damage Threshold Testing

 レーザー耐力 (Laser Damage Threshold; LDT)、或いはレーザー誘起損傷閾値 (Laser Induced Damage Threshold: LIDT) は、ミラーなどの光学部品をレーサーシステム内に組み込む際に考える最も重要なスペックの一つです。レーザー光源をアプリケーションに用いることは、単色性や指向性、コヒーレンス性など、他の一般的光源にはない数々の利点があります。しかしながら、レーザービームは高いエネルギー密度があるため、繊細な光学部品に損傷を与える可能性があります。レーザー光源を光学系の中に組み込む際は、光学面に作用するレーザービームの影響を理解し、レーザー耐力が光学部品に対してどのように規定されるのかを理解することがきわめて重要となります。

 レーザービームによって引き起こされる光学部品の損傷のタイプは、レーザービームの波長、パルス幅、偏光状態、繰り返しレート、そして空間強度分布特性を始め、多くのファクターに依存します。連続波 (CW) レーザーの照射時は、レーザーのエネルギー吸収が原因で、基板材料やコーティング材料に熱的損傷や溶融が生じることがあります。これに対して、短パルスレーザー照射時に生じる損傷は、高強度な短レーザーパルスにより生じる高電界から、上述の材料が絶縁破壊されるのが一般的です。なおこれよりも長いパルス幅を持つレーザーの場合は、CWレーザーによって生じる熱的損傷と、短パルスレーザーによって生じる絶縁破壊が併発していることがあります。10ピコ秒前後以下の超短パルスレーザーの場合は、多光子吸収や多光子イオン化などの非線形現象が要因となります。

レーザー損傷閾値の試験

 レーザー損傷閾値 (LIDT) の試験は、光学部品が耐えることのできる電磁放射の量を定量化するのに良い方法です。試験には様々なものがありますが、エドモンド・オプティクスでは光学部品のレーザー耐力を決定する際の業界標準と言われる ISO-11254 の手順と手法を導入しています。ISO-11254 規格を利用することで、他メーカーの光学部品との公平な比較も可能になります。

 エドモンド・オプティクスで行うレーザー損傷閾値の試験は、数多くの試験サンプルに異なるエネルギー密度 (パルスレーザーの場合)、或いはパワー密度 (CWレーザーの場合) を持つレーザービームを照射して行います。エネルギー或いはパワー密度を徐々に増やしていき、各密度の大きさに対して最小10枚の試験サンプルを用いて試験します。この試験は、特定密度時にレーザー損傷が全サンプル (100%) で確認されるまで繰り返されます。各密度での試験結果の中で損傷が一切確認できなかった時の最大密度のものを損傷閾値と見なします。サンプルの損傷確認は、ノマルスキータイプの微分干渉 (DIC) 顕微鏡を100~150Xの倍率にして行います。見た目の損傷を確認し、結果を合否判定して記録します。Figure 1は、レーザーパルスエネルギーを関数にした損傷確率の照射密度別ヒストグラムです。

Exposure Histogram of Laser Damage Threshold Probability versus Exposure Site
Figure 1: レーザー損傷確率の照射密度別ヒストグラム

 未コート品の光学部品に加え、光学コーティングもまた吸収箇所の存在とプラズマ燃焼から損傷を起こすことがあります。Figure 2は、コーティング欠陥が原因で生じた薄膜損傷の実際の画像です。コーティングにおけるレーザー耐力試験の重要性に関する追加情報は、ハイパワー用光学コーティングの複雑性をご覧ください。

Coating Failure from 73.3 J/cm<sup>3</sup> Source due to Coating Defect
Figure 2: コーティング欠陥が原因で 73.3 J/cm2 から損傷したコーティングの様子

レーザー損傷閾値の定義

 光学部品のレーザー耐力 (LDT) の大きさに影響を与える変動要因は多くあり、こうした要因は次の3つのカテゴリーに分けることができます: レーザー、基板、そして光学コーティングです (Table 1)。

LDT/LIDT に影響を与える変動要因
レーザー 基板 コーティング
出力 材料 蒸着材料
パルス時間 表面品質 蒸着工程
パルス繰り返しレート 清潔性 蒸着前工程と洗浄
ビーム分布 環境への反応 ロット間制御
ビーム径 (1/e2) 材料による吸収 コーティングのデザインと最適化
波長 材料の均質性 保護膜層

 LDTスペックは、CWレーザーとパルスレーザーに対して、パワーかエネルギーの密度の大きさで各々規定されます。パワー密度は、ビームサイズの単位面積当たりのパワーの大きさで表されます (単位は通常 W/cm2)。同様に、エネルギー密度は特定パルス幅におけるビームサイズの単位面積当たりのエネルギーの大きさで表されます (単位は通常 J/cm2)。レーザー光源は、実に様々な発振波長やパルス幅のものが市場に出回っているため、光学部品メーカーより公開されているLDTスペックを換算して、対象光学部品がそのレーザーに使用できるかを見極める必要があります。一般的経験則として、公開LDTスペック (λ11) から、波長λ2, パルス幅 τ2 でのLDTを見積もる際は、以下の換算式を用いて大まかに計算することができます。なおこの換算式の使用は特に注意を要し、波長やパルス幅シフトが比較的小さな場合にのみ適用可能であることを留意しなければなりません。ナノ秒からフェムト秒への換算およびUVからIRの波長への換算には適用できません。

Equation 1(1)

 本公式において、τ1とλ1は公開スペック上のレーザーのパルス幅と発振波長、τ2 とλ2 はLDTが未知のレーザーのパルス幅と発振波長です。例えば、公開スペックが ’20J/cm2 @ 1064nm @ 20ns’のミラーの場合、532nmで10nsのパルス幅を持つビームを上記換算式を用いて計算すると、 20 x (532/1064) x (10/20)½、即ち約7J/cm2 と換算できます。これよりも長いパルス幅や高繰り返しレートを有するパルスレーザーの場合は、CWレーザー照射時のパワー密度も同様に確認しておく必要があります。

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