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反射防止コーティング (ARコーティング)
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社

反射防止コーティング (ARコーティング)

コーティング理論 | コーティングの仕様

 エドモンド・オプティクスは、TECHSPEC®ブランドの透過用光学素子全てに、複数の反射防止膜 (ARコーティング)を用意しています。反射防止膜は、透過率を増やす、コントラストを高める、またゴースト像の発生を取り除くことによって、光学素子の効率を大幅に改善させます。大抵のARコーティングは、機械的な面、また環境的な面の両方において、とても耐久性があります。この理由により、透過用光学素子が市販される場合、その大半には何かしらのARコーティングが付いています。お客様のアプリケーションに見合うARコーティングを特定するには、まずお客様が検討している光学系が必要とする波長範囲を十分に理解しなければなりません。ARコーティングは、光学系の性能を十分に改善する一方、コーティングの設計波長領域外の波長では光学系の性能を反対に落としてしまう場合があります。

コーティング理論

MgF2 Anti-Reflection Coating Performance
Figure 1: MgF2 単層ARコーティングの性能

h3>なぜ反射防止コーティングを選ぶのか?

 光がコートのされていないガラス基板を透過する時、ガラスと空気の境界面で約4%の光が反射されます。基板の表裏二面にこの境界面があることから、全体では入射光の92%だけがガラスを透過することになります。基板の表裏二面に反射防止コーティングを施すことで、光学系としてのスループットが増え、また不要な戻り反射がシステム内を行き来することで起こるゴースト像の要因を減らすことができます。反射防止コーティングは、多くの透過用光学素子で構成された光学系にはとりわけ重要です。また多くの微弱光検出システムには、光をより効率的に使えるように、反射防止膜の付いた光学素子が用いられています。Figure 1は、N-BK7ガラスの基板表面にコーティングを施した場合と、施さない場合の反射率の違いを表します。図のコーティングは、550nmを中心波長にして蒸着したMgF2の単層 (シングル)ARコーティングです。  

Illustration of Light Interacting with Thin Film
Figure 2: 薄膜での光の作用

反射防止コーティングは、どのように機能するか?

 コーティングの透過特性は、使用する光の波長と基板の屈折率、コーティング材料の屈折率と膜厚、そして光の入射角度に依存します。

 コーティングを設計する際は、薄膜の上側の境界面と下層の境界面で各々反射したビームが、180°の相対的位相ずれを生じるように考慮します。2本の反射ビーム間に減殺的干渉 (destructive interference)が生じると、互いのビームは各々が表面を出射する前に打ち消し合います。コーティングの光学的膜厚は、¼波長 (λ/4, λは設計波長、或いはピーク性能が得られるよう最適化した波長)の奇数倍でなければなりません。これにより、2本の反射ビーム間に1/2波長分の光路差が生じることになり、光の波が打ち消し合うことになります。

 2本のビームが完全に打ち消し合うためには、以下の公式を用いて、必要な薄膜材料の屈折率を決定していきます。

(1)$$ n_f = \sqrt {n_0 \, n_s} $$

nf: 薄膜の屈折率
n0: 空気の屈折率 (或いは入射媒体の屈折率)
ns: 基板の屈折率

コーティングの仕様

反射防止コーティングのオプション

 エドモンド・オプティクスは、戻り反射を低減するために、TECHSPEC®ブランドのどのレンズにもシングル (単層)ARコーティングをオプションでご用意しています。加えて、特注で単層コーティングや多層コーティング、Vコーティングや2Vコーティングも行います。標準在庫販売品のレンズと大口の特注レンズの両方に対応致します。詳しくは、特注コーティングをご覧ください。

Wavelength Selection Chart
Figure 3: 反射防止コーティングの機能波長別早見表

MgF2シングルコート: MgF2 (弗化マグネシウム)の単層膜 (λ/4の光学膜厚)を施した、エドモンド・オプティクス標準の反射防止膜中、最も標準的でシンプルなコーティングです。中心波長550nm (可視波長帯の中央の波長)でデザインしています。MgF2の屈折率は、550nmにおいて1.38です。コーティング対象の硝材にも依存しますが、一般にMgF2コーティングは、広帯域での使用に最適です。

VIS 0° & VIS 45°マルチコート: VIS 0° (入射角0°用)とVIS 45° (入射角45°用) マルチコーティングは、425~675nmの波長帯で最適化した透過特性を有します。レンズ一面当たりの平均反射率を、各々0.4%と0.75%に減らします。VIS 0°コーティングは、可視光アプリケーションでは、MgF2単層コーティングよりも特性が優れます。

VIS-NIRマルチコート: 可視~近赤外の広帯域に対し、98%レベルの透過率を実現する誘電体多層膜(マルチコート)です。シリコンPDの主感度帯である400~1000nmにおいて、平均反射率を1.25%以下にまで抑えます(一面当たり)。特に880nmにおいては、レンズ一面当たりわずか0.25%以下の絶対反射率に抑えます。

Telecom-NIRマルチコート: 光通信に主に用いられる波長帯に対して、超低反射率を実現する誘電体多層膜(マルチコート)です。特に1295~1325nm、及び1535~1565nmにおいては、レンズ一面当たりわずか0.25%以下の絶対反射率を実現します (1200~1600nmの波長帯では一面当たりの平均反射率0.25%を実現)。

UV & UV-VISマルチコート: 合成石英 (UVグレード)製のレンズやウインドウ製品に適用され、紫外域でのコーティング性能を高めるために用いられます。UVマルチコートは、250~425nmにおいて、1%以下の絶対反射率 (一面当たり)を実現する誘電体多層膜です。これに対し、UV-VISマルチコートは、250~700nmにおいて、平均反射率を1.5%以下 (一面当たり)に抑えます。特に350~450nmにおいては、レンズ一面当たり1%以下の絶対反射率に抑えます。

NIR I & NIR II マルチコート: 光ファイバーやレーザーダイオードモジュール、LEDライトに共通的な近赤外波長で、非常に優れた性能を有します。NIR Iマルチコートは、可視域の赤色~近赤外の波長帯に対して99%レベルの透過率を実現する誘電体多層膜(マルチコート)です。600~1050nmにおける平均反射率を0.5%以下に抑えます(一面当たり)。これに対し、NIR IIマルチコートは、近赤外域に対して98%レベルの透過率を実現する誘電体多層膜です。800~1550nmにおける絶対反射率を1%以下に、また750~800nmにおける絶対反射率を1.5%以下に抑えます(一面当たり)。

SWIR マルチコート:短波赤外 (SWIR)広帯域マルチ反射防止コーティングは、900~1700nmの波長の透過率を最大化するようにデザインされています。電子部品や太陽電池の検査、監視、偽造防止を始めとする共通のSWIRアプリケーションに用いられます。

Stamdard Visible Anti-Reflection Coatings
Standard Near Infrared Anti-Reflection Coatings
Figure 4: 標準反射防止 (AR)コーティングの性能
反射防止コーティングの仕様*
コートタイプ機能波長光学的仕様 (一面当たり)典型エネルギー密度限界
MgF2 シングル(分光曲線を見る) ¼波長 @ 550nm Ravg ≤ 1.75% 400 - 700nm (N-BK7) 10 J/cm2 @ 532nm, 10ns
UV マルチ (分光曲線を見る)) 250 - 425nm Rabs ≤ 1.0% 250 - 425nm 3 J/cm2 @ 355nm, 10ns
Ravg ≤ 0.75% 250 - 425nm
Ravg ≤ 0.5% 370 - 420nm
UV-VIS マルチ (分光曲線を見る) 250 - 700nm Rabs ≤ 1.0% 350 - 450nm 3 J/cm2 @ 355nm, 10ns
Ravg ≤ 1.5% 250 - 700nm 5 J/cm2 @532nm, 10ns
VIS-EXT マルチ (分光曲線を見る) 350 - 700nm Ravg < 0.5% 350-700nm 5 J/cm2 @ 532nm, 10ns
VIS-NIR マルチ (分光曲線を見る) 400 - 1000nm Rabs ≤ 0.25% @ 880nm 5 J/cm2 @ 532nm, 10ns
Ravg ≤ 1.25% 400 - 870nm
Ravg ≤ 1.25% 890 - 1000nm
VIS 0° マルチ (分光曲線を見る) 425 - 675nm Ravg ≤ 0.4% 425 - 675nm 5 J/cm2 @ 532nm, 10ns
VIS 45° マルチ
VIS 0° マルチの分光曲線を参照
425 - 675nm Ravg ≤ 0.75% 425 - 675nm 5 J/cm2 @ 532nm, 10ns
YAG-BBAR マルチ (分光曲線を見る) 500 - 1100nm Rabs < 0.25% 532nm 5 J/cm2 @ 532nm, 10ns
Rabs < 0.25% 1064nm
Ravg < 1.0% 500 - 1100nm
NIR I マルチ (分光曲線を見る) 600 - 1050nm Ravg ≤ 0.5% 600 - 1050nm 7 J/cm2 @ 1064nm, 10ns
NIR II マルチ (分光曲線を見る) 750 - 1550nm Rabs ≤ 1.5% 750 - 800nm 8 J/cm2 @ 1064nm, 10ns
Rabs ≤ 1.0% 800 - 1550nm
Ravg ≤ 0.7% 750 - 1550nm
Telecom-NIR マルチ
(分光曲線を見る)
1200 - 1600nm Rabs ≤ 0.25% 1295 - 1325nm
Rabs ≤ 0.25% 1535 - 1565nm
Ravg ≤ 0.25% 1200 - 1600nm
SWIR マルチ (分光曲線を見る) 900 - 1700nm Rabs ≤ 1.5% 900 - 1700nm
Ravg ≤ 1.0% 900 - 1700nm
*補足: Ravg = 平均反射率, Rabs = 絶対反射率

反射防止コーティングは、以下のTECHSPEC® オプティクス製品に採用されています:

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 コーティングは、光学的干渉の効果を通じて光の反射や透過を制御します。あなたの次期アプリケーションに向け、正しいコーティングを選定するのに役立つ基礎をお教えます。

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