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光学アプリケーションの実例
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光学アプリケーションの実例

アプリケーション1: 光ディテクターシステム | アプリケーション2: 正しいレンズの選定 | アプリケーション3: プロジェクションシステムの構築

アプリケーション1: 光ディテクターシステム

 どの光学系も、ある種の初期設計が要求されます。光学設計を行うことは、最も手ごわい作業ではありますが、その光学系に求められる幾つかの重要なスペックを特定することで、初期設計の作業を容易にしてくれます。以下の質問事項は、単純な光ディテクターないし光エミッターを用いた光学系を設計していく際の手順を理解するのに役立ちます。

ゴール: 光はどこに向かう?

 単レンズは、イメージングアプリケーションにも時折用いられますが、そのレンズを用いる目的の多くは、ある地点から発した光を別のある地点に投光することにあります。光エミッター、光ディテクター、レーザー、そしてファイバーオプティクスのほぼ全ての製品は、この種の目的を達成するのにレンズ一枚を必要とします。「光はどこに向かうか?」は、設計する光学系のタイプを決定する際に事前に理解しておかなければならない重要な質問事項です。設計のゴールが全ての光を取り込んで別の位置に配置した光ディテクターに入射させることであるなら、2~3の光学収差は発生するものの、平凸レンズないしは両凸レンズといった単レンズで目的を達することができます。

PCX Lens as FOV Limit in Detector Application
Figure 1: 平凸レンズは光ディテクターアプリケーションにおいて視野の大きさを制限する

 Figure 1は、一枚の平凸レンズをレンズの直径 (D1) と焦点距離 (f) という重要なスペックを元に配置した図です。またこの図では、光ディテクターの直径が光学系の視野 (Field of View: FOV) の大きさ (β) にどのような制限を与えるかも表しています。なおこの時のβは半角ベースですが、全角ベース時の視野 (Full FOV: FFOV) は、以下の近似式で表すことができます:

Equation 1.1 (1.1)

 或いは、以下の公式でも表すことができます:

Equation 1.2 (1.2)

 スキャンニングシステムに用いられる光ディテクターの場合、重要になるスペックに瞬時視野 (Instantaneous Field of View: IFOV) というものがあります。IFOVは、スキャン中の各瞬間で光ディテクターがカバーすることのできる角度を表します。

Equation 1.2 (1.3)

 

Instantaneous FOV
Figure 2: 瞬時視野 (Instantaneous FOV)
PCX Lens as FOV Limit in Emitter Application
Figure 3: 平凸レンズは光エミッターアプリケーションにおいて視野の大きさを制限する

 Figure 1の配置を可逆的に考えてみると、光エミッター光学系を再現することにもなります (Figure 3)。この時、レンズは光をコリメートするために用いられています。この可逆的に配置するという考え方は、アプリケーションの応用として使えるでしょう。

光の集光効率: 光をどのくらい取り込む?

 光がどこに向かうかを理解することは、投影光学系を設計する際の初期段階に過ぎません。物体、或いは光源から出射した光をどのくらい取り込みたいのかも理解しなければならない重要なポイントです。その効率性は、光ディテクターによって受光される光の量で決まります。よって、「光をどのくらい取り込む?」という質問事項に対する解を持たなければなりません。レンズの開口数 (Numerical Aperture: NA) とFナンバーは、そのレンズで集めることのできる光の量を表し、レンズの焦点距離 (f), 屈折率 (n), 及び許容角度 (θ) を元にして決まります。FナンバーとNAの関係をFigure 4に図解します。

DCX Lens Showing f/# and NA
Figure 4: FナンバーとNAを示した両凸レンズ

 

 両者の関係は、公式 (1.5) で数学的に表すことができます。レンズの直径が大きくなればFナンバーの大きさは小さくなり、レンズに入射する光の量をより大きくすることができます。これは重要なポイントです。光源から発する光の推角の大きさとレンズの許容推角を一致させれば、最も効率性の高い光学系を構築することができます。レンズへの過剰または不足な光入射を防ぐことになります。

Equation 1.4 (1.4)

 

Equation 1.5 (1.5)

 

Equation 1.6 (1.6)

 

光学スループット: どれだけの光が系を通る?

 光エミッターから同ディテクターに光を伝播させるツールとして一枚のレンズを用いる時、スループット (TP) を考慮しておくことが重要です。TPとは、伝播する光エネルギー量の大きさを表します。換言して、「どれだけの光が系を通る?」という質問に対する解は、使用するレンズの配置やシステム構成に依存します。光エミッターや光ディテクターは、光を点としてではなく、面として捕らえるため、例えレンズ自体のFナンバー (直径と焦点距離の比) が同じであったとしても、レンズの直径の大小がTPに影響を与えるのです。

 スループット (TP) の基本的定義をFigure 5と公式 (1.7) で示します。ここで、Aは物体 (光源) の大きさ、Ωは立体角、zは物距離です (像空間側では各々A', Ω', z' で表します)。

DCX Lens Illustrating Throughput
Figure 5: 両凸レンズで図解するスループット
Equation 1.7 (1.7)

 立体角はΩ = A/r2 で求まります。この時、(A) がレンズ表面の面積、(r) がレンズの曲率半径です。またレンズから物体までの物距離を(z)、像面までの距離を(z')、立体角は物空間側が(Ω)、像空間側が(Ω') となります。

 光ディテクターに到達する光の量は、レンズ開口の大きさによって光学系内を伝播する光の量が物理的に制限されます。即ち、口径食によって減ることになります。しかしながら、ある光学系においては、口径食を意図的に行うことで、画質に負の影響を与える迷光を取り除くことができます。それでも、光学系を適切に位置決めすれば、迷光や意図的ではない口径食を減らせることも理解しておくことが重要です。

収差: 画像がどう見える?

 どれだけの光が系を通るかを理解することと同様に、収差を理解しておくことも重要です。「画像がどう見える?」に対する解は、光学系のデザインを改善して収差を減らし、画質を向上させていくことにつながります。収差は、光学系の配置構成やアライメントに関わらず、どの光学系にも本質的に含まれます。どの光学系にも収差は存在するため、性能とコストのバランスを考慮しながら設計していくことが全ての光学設計者にとって重要です。コマ (coma) や球面 (spherical)、及び非点 (astigmatism) といった基本的光学収差は、以下に記載した公式のように、光学系のFナンバーを大きくすることでその量を減らすことができます。

Equation 1.8 (1.8)

 

Equation 1.9 (1.9)

 

Equation 1.10 (1.10)

 

アプリケーション実例: 光ディテクターシステム

 一例として、Figure 3の6.35mm径のファイバーライトガイドから出射した光を集光する光学系のFナンバーを考えて見ましょう。

  • 初期パラメータ
    ライトガイドのNA = 0.55
    光源 (エミッター) の出射径 = 6.35mm
    空気の屈折率 = 1
  • 計算するパラメータ
    Fナンバー (f/#)
Equation 1.11 (1.11)

 

 f/1、即ちFナンバーが1の平凸レンズをライトガイドの手前に配置することが、光を可能な限り多く取り込むのに理想的となります。もしFナンバーが1であるなら、公式 (1.4) より、レンズの直径と焦点距離の大きさが等しいことになります。仮に12mm径のレンズを検討するなら、レンズに求める焦点距離もまた12mmです。

全角視野 (Full Field of View; FFOV)

Equation 1.12 (1.12)

 

Equation 1.13 (1.13)

 

Equation 1.14 (1.14)

 

Equation 1.15 (1.15)

 

 ステラジアンは、平面の角ラジアンを立体空間に拡張したものです。ステラジアンの値が高くなると、光エミッターからレンズまでの間隔 (距離) を小さくするか、或いはレンズの直径をより大きくする必要があります。立体角が持つことのできる最大値は4π (または約12.57) で、これは全球 (全立体角) に相当します。

 この光学系のスループット (TP) を計算するために、まず上記の計算を行う必要がありました: 光源の面積 (公式 (1.11)), レンズの面積 (公式 (1.12)), そして立体角 (公式 (1.13)) です。発散した光をコリメートするための経験則として、レンズを光源から焦点距離の大きさ分だけ離して配置します。

Equation 1.16 (1.16)

 この光学系はフリースペース内に配置されるため、周囲の屈折率は1と見なせます。よって、n2は計算上はTPの値に実質影響を及ぼしません。

アプリケーション2: 正しいレンズの選定

 収差の量が少ないと高画質になります。そのため、光学設計者は2枚かそれ以上の枚数のレンズ素子を用いて、一枚レンズ使用時よりも高い画質を得ようとします。正しいレンズをアプリケーションに応じて選定する際、光源の種類や設置空間の制限など、考慮しておかなければならない多くのファクターがあります。

 Figures 6a - 6eは、リレーレンズもしくは共役比1:1のイメージングアプリケーション向けに用いられる様々なレンズ系の比較です。この比較例では、選定したレンズ系の構成や光学的特性が画質にどのような影響を及ぼすかが容易にわかるようにしてあります。

DCX Lens Relay System
Figure 6a: 両凸レンズのリレー光学系: f=25mm, 20mmの入射瞳径 (図の左はカラー画像、対する右は白黒画像)
PCX Lens Relay System
Figure 6b: 平凸レンズのリレー光学系: f=50mm, 20mmの入射瞳径 (図の左はカラー画像、対する右は白黒画像)
Achromatic Lens Relay System
Figure 6c: アクロマティックレンズのリレー光学系: f=50mm, 20mmの入射瞳径 (図の左はカラー画像、対する右は白黒画像)
Aspherized Achromatic Lens Relay System
Figure 6d: 非球面アクロマティックレンズのリレー光学系: f=50mm, 50mmの入射瞳径 (図の左はカラー画像、対する右は白黒画像)
Aspheric Lens Relay System
Figure 6e: 非球面レンズのリレー光学系: f=50mm, 40mmの入射瞳径 (図の左はカラー画像、対する右は白黒画像)

アプリケーション実例: 両凸レンズ1枚のシステム

 両凸レンズは、その左右対称な形状から、1:1の共役比のイメージング用途に用いる一枚レンズとしてはベストなものです (Figure 6a 参照)。左右対称とは、レンズの表裏二面の曲率 (屈折力) が等しいことであり、平凸レンズのように異なるものではないということです。このレンズ系はレンズ素子一枚で構成されるため、収差の削減を可能にする開口絞りは必然的にレンズのサイズとなります。このため、レンズ一枚のみで1:1イメージングを行う際は、両凸レンズを用いる方が平凸レンズよりも好ましい結果となります。但し、レンズのFナンバーが低くなると球面収差やコマ収差の量が無視できなくなることも理解しておく必要があります。こうした収差は、一枚レンズの形状ファクター (S) によって引き起こされます:

Equation 2.1 (2.1)

 ここで、R1 とR2 はレンズの表裏各面の曲率半径です。

 レンズ一枚だけを必要とし、かつ物体もしくは光源が無限遠にあるアプリケーションにおいて、システムに最も有害となるどのタイプの収差を減らすかは、その収差に応じた形状ファクターを計算することで理解することができます。例えば、球面収差を減らすための理想的な形状ファクターは次式により求められます:

Equation 2.2 (2.2)

 

Equation 2.3 (2.3)

 

Equation 2.4 (2.4)

 

 ここで、nはレンズの硝材の屈折率、pはポジションファクター、zは物距離 (負の値で記載)、z'は像距離 (正の値で記載) です。

 同様に、無限遠に物体が位置する時にコマ収差を減らしたい場合、形状ファクターは次式により求められます:

Equation 2.5 (2.5)

 硝材の屈折率が1.5 (N-BK7は1.517) で無限遠に物体が位置する時、形状ファクターの値をおおよそ0.8にすると、コマ収差と球面収差の両方の補正が釣り合います。

アプリケーション実例: 平凸レンズ2枚構成のシステム

 光学系の性能を改善するために、両凸レンズ1枚を同一の平凸レンズ2枚に置き換えることができます (Figure 6b 参照)。この時、元々あった両凸レンズの2倍の焦点距離の大きさの平凸レンズ2枚に置き換え、互いの凸面の向きを向かい合わせる形にして配置します。こうすることで、レンズ系としてのパワー (屈折力) が構成するレンズの各面で分担され、各レンズが持つべきパワーの大きさを小さくできます。換言して、各レンズの焦点距離の大きさを長くできます。各レンズが少ないパワーになったことで、レンズ系として生じる球面収差の量を少なくすることができるのです。2枚のレンズを用いることで、レンズ系としての焦点距離は両凸レンズ1枚のそれと同じながら、生じる球面収差の量が少なくなります。レンズの直径は両凸レンズ1枚の時から変わっていないため、Fナンバーも変わりません。2枚のレンズ間に開口絞りを設置してレンズのFナンバーを大きくすれば、球面収差の量は更に小さくなります。

 2枚の平凸レンズは極力エアコンタクトの状態で配置し、開口絞りをその間に設置します。互いのレンズの凸面側を共役距離の長い方向に向けて配置することで、より良い画質を実現できます。

アプリケーション実例: アクロマティックレンズシステム

 別のオプションは、2枚のアクロマティックレンズ (別名 アクロマートレンズ) の使用です(Figure 6c 参照)。アクロマティックレンズは、光学特性の異なる2枚のレンズ素子を貼り合わせて一体化しており、通常は低屈折率クラウンガラスを用いた正の焦点距離のレンズと、高屈折率フリントガラスを用いた負の焦点距離のレンズから構成されます。アクロマートレンズを用いれば、球面収差やコマ収差を減らせるだけでなく、多色光 (白色や複数の異なる波長を用いた) イメージングでの画質も改善できます。2枚のアクロマートレンズを、互いの凸面側を向かい合わせた状態で配置すれば、非常に優れたイメージングシステムが構築できます。単レンズを用いたレンズ系 (両凸レンズ1枚、もしくは平凸レンズ2枚による) に比べて、複数の収差を大きく減らすことができるためです。球面収差の量は大きな開口時、即ち低Fナンバー時であっても無視できるレベルで、色収差の量もアクロマートレンズの使用によって著しく低減できます。市場に流通するリレーレンズシステムの多くが、この種の2群4枚レンズ構成を採用しています。

 単レンズ (シングレットレンズ) と比較したアクロマティックレンズの使用メリットに関する更なる情報は、アクロマティックレンズをなぜ用いる?をご覧ください。

アプリケーション実例: 非球面レンズシステム

 平凸レンズや両凸レンズ、及びアクロマティックレンズとは違い、一部の球面形状をベースに作られる非球面レンズは、球面レンズやシリンダーレンズとは違う曲面形状を有します。通常は双曲面か放物面の形状を有しています。非球面レンズのキーコンセプトは、曲率半径がレンズの光軸から半径方向に進むにつれ、一定の大きさではなく、変化しているという点です。そのため、非球面レンズは球面収差を容易に補正し、非軸に関連する収差の改善にも効果を発揮します (Figure 6d & 6e 参照)。

 非球面レンズは、多くのシステムに用いられます。なぜなら、2枚もしくはそれ以上の枚数の球面レンズを置き換え、レンズ系をよりコンパクトに、またコストの削減を可能にするためです。非球面レンズの製造法やデザイン、及び使用法に関する更なる情報は、非球面レンズに関する全てをご覧ください。

レンズ系のタイプ球面収差色収差
両凸レンズ1枚
平凸レンズ2枚
アクロマティックレンズ2枚 微小
非球面レンズ2枚 微小
非球面アクロマティックレンズ2枚 微小 微小

アプリケーション3: プロジェクションシステムの構築

 プロジェクションシステムを特注でデザインすることは、時間の浪費や高価格化に繋がる恐れがあります。それでも、その工程を容易にして費用効果の高いものにしていくための手順というものがいくつかあります。以下の基本手順は、システム設計アプリケーションの多くに適用できるものです。

特注デザインの設計手順:

  1. システムを各部品に分ける – 光学アプリケーションは非常に幅広く、拡大鏡的なシンプルなものからレーザービーム走査システムのような複雑なものまで、実に様々です。しかしながら、大抵のアプリケーションは、小さなモジュール毎に分類することができ、分類したモジュールは多くの場合それ単体で開発することができます。
  2. 各モジュール単体で設計する – 各モジュールを最適化して最善の性能が得られるように設計すると、システム全体としてもメリットになります。これは、個々のモジュールの最適化が別のモジュールに負の影響を与えない限りにおいて真実です。そのため、個々のモジュールを設計する際は、システム全体も念頭に入れておくことが重要となります。
  3. コンピューターで最適化する – 各モジュールの初期設計の計算が完了したら、次にその計算値をZEMAX や Code Vといったレンズ設計ソフトウェアに入力し、個々のモジュールとシステム全体のデザインを最適化していきます。各モジュールを最適化すれば、どの固定用治具をそれ用に選定するのが適切なのかのベストケースシナリオも検討できます。コンピューターによる最適化は、自身が行った初期設計が妥当な結果を産むのかの再確認にもなります。
  4. システムを構築する – 各モジュールの設計後は、全体のシステムを構築しなければなりません。モジュール同士を組み付けてシステム構築を実際に行う前に、まず各モジュールが適切に機能するかを検証し、次にレンズ設計ソフトウェアを通して全体のシステムを作動させ、システム内の各モジュールが互いに想定通りに機能するかを検証しておくことがベストです。
  5. 部品を選定する – 大抵のレンズ設計ソフトウェアには、在庫販売品レンズの光学設計データをそのライブラリ内に収録しており、"closest-match"アルゴリズムを用いてどの在庫販売品レンズやアイテムがその箇所にフィットするのかをサポートしてくれます。レンズ設計ソフトウェアは、実在しないガラスナンバーに一旦最適化しますが、"closest-match"ファンクションが調達可能で特性のとても似通った硝材を探し当てます。正しいガラスの選定も大事ですが、そのシステムに合ったメカニクス部品を見つけることも重要なステップです。サイズや重量、外観等は、レンズホルダーやシステム固定治具を選定する前に予め検討していなければなりません。

 硝材の選定に関する更なる情報は、光学ガラスをご覧ください。

 古いスタイルのスライドプロジェクターを始め、プロジェクター装置の大半は2つのメインモジュールで構成されています。コンデンザーレンズ系とプロジェクターレンズ系です。コンデンザーレンズ系は、スライドを均一に照明し、対するプロジェクターレンズ系はスライドの画像をスクリーン上に投影します。各モジュールとも、シンプルな部品と方法で構築することができます。大きなレンズ開口の必要性と、様々な焦点距離が選定できる製品ラインナップの豊富さから、25mm径のオプティクスを用いて構築した例を以下に紹介します。

パート1: プロジェクターレンズ系

 プロジェクターレンズ系 (Projection Lens System) は、所望する倍率と画像の投影距離によって制限されます。大抵のプロジェクターレンズ系は光源に白色光を利用するため、この場合アクロマティックレンズを用いることでベストな画像を得ることができます。実際に使用するアクロマートレンズを決定するため、投影するレチクル (Reticle) の画像をどの程度離れた場所に投影するかの距離を(I)とし、その時の投影倍率を(M)としましょう (Figure 7参照)。倍率は、使用する2枚のレンズの焦点距離の比 (公式 (3.1))、または像距離と物距離の比 (公式 (3.2)) から求めることができます。

Equation 3.1 (3.1)

 

Equation 3.2 (3.2)

 

パート2: コンデンサーレンズ系

 コンデンサーレンズ系 (Condenser Lens System) は、照明用光源から照射される発散光を取り込み、その光の進行方向を変えて後段のプロジェクターレンズ系に十分な光が満たすように集光します。古典的なコンデンサーレンズ系は、2枚の平凸レンズを使用し、互いの凸面を向かい合わせて配置します (Figure 7参照)。一番目のレンズが光源からの発散光を取り込み (物空間側)、二番目のレンズが収束光として出射し (像空間側)、レチクル (Reticle) を照明します。

Basic Projection System
Figure 7: 基本的なプロジェクションシステム

 図からわかるように、プロジェクターレンズ系はコンデンサーレンズ系の一部を利用しています。これが、なぜプロジェクターレンズ系を先に設計するのかの理由です。コンデンサーレンズ系からプロジェクターレンズ系までの距離は、レチクルからプロジェクターレンズ系までの距離よりも長くしなければなりません。

アプリケーション実例: プロジェクションシステムの設計

  • 初期パラメータ
    レンズの直径 = 25mm
    像距離 = 投影距離 = 250mm
    投影倍率 = 2.5X
  • 計算するパラメータ
    物距離、或いはレチクルまでの距離
Equation 3.3 (3.3)

 f=100mmの2枚の25mm径アクロマティックレンズがプロジェクション光学系を構築するのに理想的と考えられます。25mm径のレンズは、大きな開口、オプトメカニクス製品との対応互換性、及びコーティングオプションや焦点距離の豊富さからベストな選択となります。

 コンデンサーレンズ系に用いる平凸レンズの焦点距離は以下のように求められます。

Equation 3.4 (3.4)

 f=250mmの2枚の25mm径平凸レンズが、後段のプロジェクターレンズ系に十分な光を伝搬するのに必要となります。

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