エドモンド・オプティクスは、抗体検出に用いられる光学部品を製造します。完成されたシステムへの引き合いは、抗体検出機器メーカーにお問い合わせください。

ケーススタディ:
抗体検出のためのオプティクス

未来は、COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) などの伝染病に対し免疫反応を示したかどうかを、いかに迅速かつ安全に判断できるかにかかっている。

COVID-19に対する
免疫反応の識別

新規コロナウイルスによって引き起こされる疾患のCOVID-19に特有の抗体は、血液由来の血清学的検査で探し出すことができます。

抗体は、ウイルスの侵入を阻止するために白血球によって生成されるY字型のタンパク質です。人体はさまざまな種類の抗体を産生します。一時的なものもありますが、多くは感染にどのように反応したかを記憶しており、同じ病原体に感染した場合に再度攻撃することができます。1

免疫グロブリンM (IgM) は、ウイルスと戦うときに体内で生成される最初の抗体の一つですが、感染源がなくなると消失します。免疫グロブリンG (IgG) 抗体は2番目に産生され、感染後に検査を受けた人々の血液中に見つけることができるため、感染に対して免疫反応があったことが認識されます。2 これは、症状をほとんど或いはまったく示さなかった人の感染事実を検出するためにとりわけ重要です。3 抗体の存在が、将来の感染に対する免疫の提供を示すわけではありませんが、血清学的検査は、COVID-19の広がりの程度を決定し、このパンデミックに適切に反応および対処するために必要なデータを提供するためにきわめて重要です。 

Quick, Reliable, and Accurate COVID-19 Testing
Figure 1: ウイルスを攻撃するY字型抗体

抗体検出試験はどのように機能する?

新型コロナウイルスの一般的な血清学的診断法として、酵素結合免疫吸着検査法 (ELISA法) と間接蛍光抗体法 (IFA法) の2つがあります。

直接ELISA法は、患者の血液を採取後、血清に処理するために検査機関に通常送る必要があります。4 その後、新型コロナウイルスと同様の形状を持つ合成スパイクタンパク質を固定したウェルプレートが用意されます。次に、血清がウェルプレートに加えられ、IgMおよびIgG抗体が抗原と結合します。未結合の抗体は洗い流されます。標的とする抗原に抗体が結合した際に色が変化する薬液も加えられます。検体中の抗原特異抗体の量に比例した速度で色が変化します。色の強度は、視覚的またはイムノアッセイ装置を使用して分光光度的に評価できます (Figure 2上図を参照)。

SpectralMD’s wound imaging system in use
Figure 2: 直接ELISA法による色の変化が抗体の存在を示す。

2番目の、そしてより有効な血清学的診断法は、間接蛍光抗体法 (IFA法) です。

IFA法の手順は、ELISA法のそれとよく似ています。ウイルスに感染した細胞と感染していない細胞の双方をスライドガラスのウェルに定着させます。ELISA法と同様、未結合の抗体は洗浄により除去されます。IFA法における一次抗体のスライドウェルへの結合は、蛍光色素結合抗免疫グロブリンを使用して立証されます。未結合抗体が洗浄で除去された後、スライドを緩衝グリセロールで覆い、蛍光顕微鏡で検査します。蛍光の形態と位置を評価して、特異反応を非特異反応から識別することができます。これは他の多くの血清学的検査に当てはまらない、IFA法の大きな利点です。5

SpectralMD’s wound imaging system in use
Figure 3: 抗体の間接免疫蛍光試験

ELISAおよびIFA法用のイムノアッセイ装置の多くは、酵素反応による蛍光または色の変化に依存し、その図式は蛍光顕微鏡と同様に描かれます (Figure 4)。免疫蛍光アプリケーションをサポートする著名な企業の例として、BioTek Instruments、Molecular Devices、Essen BioScience、Thermo Fisher Scientificなどがあります。

The optical designs of fluorescence-based or color detection screening systems for ELISA and IFA methods resemble this setup of a simple fluorescence microscope.
Figure 4: ELISAおよびIFA法用の蛍光ベースまたは色検出スクリーニングシステムの光学設計は、単純な蛍光顕微鏡の構成に類似する。

励起フィルターは、蛍光サンプルを励起する光源からの波長の通過を可能にします。この励起波長はダイクロイックフィルターで反射し、レンズによってサンプルに集光されます。サンプルからの蛍光発光はダイクロイックフィルターを透過し、システムの検出器上に焦点を結ぶレンズに向かいます。蛍光の量を測定することでイムノアッセイ装置がCOVID-19抗体の存在を判断でき、患者がウイルスに感染しているかどうかを指し示します。 

エドモンド・オプティクスは、COVID-19診断に用いることのできる光学部品を自信を持ってお届けします。こうしたデバイスは、その他無数の光学関連技術とともに、より安全で健康的な未来の創造に貢献しています。

参考文献

1. Healthwise. (2019, December 8). Immunoglobulins. Retrieved from University of Michigan, Michigan Medicine: https://www.uofmhealth.org/health-library/hw41342

2. FDA. (2020, May 13). FAQs on Testing for SARS-CoV-2. Retrieved from FDA Medical Devices: https://www.fda.gov/medical-devices/emergency-situations-medical-devices/faqs-testing-sars-cov-2#serology

3. CDC. (2020, May 5). Serology Testing for COVID-19. Retrieved from Centers for Disease Control and Prevention: https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/lab/serology-testing.html

4. Udugama, K. K. (2020). Diagnosing COVID-19: The Disease and Tools for Detection. ACS Nano, 14. Retrieved from https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsnano.0c02624

5. Charles River Laboratories International. (2016). Serologic Methods Manual. Retrieved from Charles River Laboratories International: https://www.criver.com/sites/default/files/resources/SerologicMethodsManual.pdf

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