ライトパイプの選定方法
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社

ライトパイプの選定方法

Light Pipe Homogenizing Rods

ライトパイプには、「高NA 光源向き」や「低NA 光源向き」などの表現があります。定性的で、わかりづらい表現かもしれません。事実、お客様の中には、「高NA 光源向き」のライトパイプだとより広い放射角度 (発散角度)を持つ光源からの光が取り込めるのではないかと錯覚されている方もいらっしゃいます。残念ながらそれは誤りです。どのライトパイプも、同じ硝材で作られていれば、取り込むことのできる光の放射角度は全て同じになります。ここで、ライトパイプの原理を簡単に説明しましょう。

ライトパイプは、光ファイバーと同じく、光の全反射 (Total Internal Reflection)現象を利用して、パイプ内を伝達していきます。そのため、ライトパイプ内の媒質境界面で全反射することのできる角度、即ち臨界角 (Critical Angle)は、必然とガラスの屈折率 $\small{\left( n \right)}$ のみに依存します。臨界角 $\small{\left( \theta_c \right)}$ を算出する計算式は、下記式 (1)で表されます。

(1)$$ \theta_c= \sin^{-1} \! \left(\frac{1}{n}\right) $$

硝材がN-BK7 のライトパイプの場合、ヘリウムのd 線 (587.6nm)を入れた時の$\small{ \theta_c }$は、$\small{n_d = 1.517} $ であることから、$\small{ \theta_c = 41}°$になります。光が臨界角よりも広い角度で媒質境界面に当たる場合は、全反射現象により内部反射を繰り返していくことができます (Fig.1 参照)。

ライトパイプに入射する光は、様々な角度で媒質境界面に当たります。そのため、ライトパイプを全反射する回数は、その光路によって様々です。臨界角付近で境界面に当たる光路と、臨界角よりも広い角度で当たる光路とでは、同一のロッド長で比べた場合、当然後者の方が全反射する回数が少なくなります (Fig.2 参照)。空間光強度のホモジナイゼーションを考える場合、どの光路でライトパイプに入射するにしても、全反射を少なくとも数回は行われるのが理想です。発散角度が比較的大きい高NA 光源と、指向性が比較的高い低NA 光源を比べてみた場合、ガラスの臨界角よりも広い角度で媒質境界面に当たる光の量が多いのは、当然低NA 光源の方です。そのため、「低NA 光源向き」 のライトパイプは、「高NA 光源向き」よりも長いロッド長を採用しています。定量的にお答えすることは難しいですが、光学的手段により指向性を高くしている光源の場合は、「低NA 光源向き」のライトパイプを用いた方が、より良好なホモジナイゼーションが期待できます。なおライトパイプは、ビーム指向性が極端に高いレーザービームのホモジナイゼーションには不向きな面があります (同ビームには、マイクロレンズアレイガウシアン - トップハットコンバーターをご検討ください)。ライトパイプは、ある程度の放射角度を持って発散する多色光源用のホモジナイゼーションに最適なパーツです。

Total Internal Reflection in a Light Pipe Homogenizing Rod

Figure 1: ライトパイプ内の光の全反射現象

* Small Incident Angles Have More Reflections than Large Incident Angles

Figure 2: 小さな入射角度は、大きな同角度に比べてより多くの全反射回数があります

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