ミラー用金属膜コーティング
エドモンド・オプティクスは、数多くの異なる基板材料を用いて、精密な放物面、球面、および平面ミラーを幅広く製造しています。こうした製品は、あらゆるアプリケーション要件に適合するため、金属膜と誘電体膜のさまざまなコーティング付きで提供されます。金属膜のミラーコーティングは、スペクトルの異なる領域に向けて最適化されます。エドモンド・オプティクスは、120nmから10μm超までの波長領域のアプリケーション向けに、一連の金属膜コーティングを提供します。当社標準のミラー用金属膜コーティングには、保護膜付きアルミ、反射強化アルミ、UV 反射強化アルミ、DUV 反射強化アルミ、保護膜なしの金と保護膜付き金、そして保護膜付き銀があります。保護膜付きアルミと反射強化アルミは、可視域のアプリケーションに通常用いられます。UVとDUV用の反射強化アルミは、UVと可視域のアプリケーションに用いられます。保護膜なしと保護膜付きの金は、近赤外 (NIR) や赤外波長に対して高い反射率があります。保護膜付き銀は、500 – 800nmで最高の反射率があり、近赤外や赤外アプリケーションで優れた性能があります。
表面鏡と裏面鏡の紹介
当社のミラーは、すべて表面鏡 (Figure 1) で、ガラス、金属、あるいは半導体のさまざまな種類の基板の表面側に高反射率コーティングを施しています。表面鏡は、精密光学アプリケーションでの使用に推奨されます。裏面鏡 (Figure 2) も、同様のコーティング技術で製造できますが、入射光はコーティングで反射される前に、透明な基材材料をまず通過します。裏面鏡の構造は、コーティング層を傷や酸化から保護する上では役立ちますが、他のいくつかの重要な問題を引き起こすことから、精密光学アプリケーションには通常適しません:
- 裏面鏡に入射した光は、基板材料からの色分散を受ける。
- 基板での反射により、橙の破線で示したゴースト像を発生する。光が基板から出るときに不要な二次反射が起こり、ミラーの正味の反射率が低下する。また、光が基板のコート付き面と非コート面間でバウンドするため、追加の迷光反射が見られることもある。
Figure 1: 表面鏡からの反射
Figure 2: ミラー基板内のゴースト反射と屈折が現れる裏面鏡からの反射
反射強化 or 保護膜付きの金属膜コーティング?
金属膜コーティングは、保護膜が付いていない場合は通常とてもデリケートで、取り扱いや洗浄には細心の注意が必要になります。保護膜の付いていない金属膜面は、清潔で乾燥した空気以外は決して触れたり、洗浄してはいけないものです。金属膜ミラー上の誘電体オーバーコートは、部品の取り扱いを改善し、金属膜の耐久性を高め、金属膜コーティングの性能にほとんど影響を与えることなく、膜の酸化から保護します。誘電体層は、特定のスペクトル領域での金属膜の反射率を高めるために設計することもできます。保護膜の付いた金属膜ミラーは、イソプロピルアルコールやアセトンを用いて洗浄することができます。ミラー用コーティングの選定ガイドを以下のFigure 3に、主要パラメータの概要をTable 1に示します。
Figure 3: ミラー用金属膜コーティングの反射率曲線 - 理論上の反射率は10μmまで徐々に上昇します
保護膜付きアルミ
標準の保護膜付きアルミは、可視や近赤外でのアプリケーションに対して最も人気のあるミラー用コーティングです。デリケートなアルミ面を保護するのに、一酸化ケイ素 (SiO) のλ/2 コーティングが通常オーバーコートされます。この処理により、アルミ膜ミラーの性能を維持したまま、耐摩耗性を向上させます。
反射強化アルミ
反射強化アルミコーティングは、可視 or 紫外領域での反射率を高めるために、アルミ膜面上に誘電体の多層膜が施されています。このコーティングは、400 – 650nmの反射率を高める必要のあるアプリケーションに最適で、UVとDUVの反射強化アルミコーティングは、120 – 400nm領域の反射率を高めます。多層膜面は、保護膜付きアルミコーティングのハンドリング性を更に高めます。
保護膜付き銀
可視や赤外スペクトル領域で高い反射率を示す銀は、複数のスペクトル領域にまたがる広帯域アプリケーションに対して格好の選択肢です。保護膜を付加することで銀の変色傾向を抑えますが、コーティングは低湿環境において最高の性能を発揮します。
保護膜なしと保護膜付き金
金コーティングは、NIRやIR領域で高反射率を必要とするアプリケーションに効果的です。耐久性のあるコーティングは多くのアプリケーションにおいて必要になるため、当社では金に保護膜を付けています。金の性能 (750 – 1500nmで96%の反射率) はそのままに、より耐久性のある仕上げになります。
| Table 1: ミラー用金属膜コーティングの概要 | |||
|---|---|---|---|
| 名称 | 波長範囲 | 反射率スペック | 典型エネルギー密度限界 |
| VUV 反射強化アルミ | 120-125nm | Ravg >78% | |
| 120-700nm | Ravg >88% | ||
| DUV 反射強化アルミ | 190-195nm | Ravg >88% | |
| 190-600nm | Ravg >85% | ||
| UV 反射強化アルミ | 250-450nm | Ravg >89% | 0.5 J/cm2 @ 355nm, 10ns |
| 250-700nm | Ravg >85% | ||
| 保護膜付きアルミ | 400-700nm | Ravg >85% | 0.3 J/cm2 @ 532nm & 1064nm, 10ns |
| 400-2000nm | Ravg >90% | ||
| 反射強化アルミ | 450-650nm | Ravg >95% | 0.2 J/cm2 @ 532nm, 10ns |
| 保護膜付き銀 | 450-800nm | Ravg >98% | 0.5 J/cm2 @ 532nm & 1064nm, 10ns |
| 2000-10000nm | Ravg >98.5% | ||
| 超短パルス用反射強化銀 | 600-1000nm | Ravg >96% | 0.3 J/cm2 @ 532nm & 1064nm, 10ns |
| 保護膜付き金 | 700-2000nm | Ravg >96% | 0.8 J/cm2 @ 1064nm, 10ns |
| 2000-10000nm | Ravg >96% | ||
| 保護膜なし金 | 700-800nm | Ravg >94% | |
| 800-20000nm | Ravg >97% | ||
| 2000-12000nm | Ravg >98% | ||
Figure 4: ミラー用金属膜コーティングの典型反射率曲線
特注ミラーコーティング
エドモンド・オプティクスは、ミラー、ビームスプリッター、ウインドウ、その他の光学部品に向けて、レーザーコーティングの設計と製造を行います。当社は、レーザー損傷に対する耐性に対して数多くの試験機関と協力し、当社のコーティングを独立して評価・認証しています。規定されたすべての損傷閾値は、正確な結果を保証するため、複数のコーティングロッドのものをテストすることで得られたものです。規定された値は保守的なもので、典型的なデータからは、当社のミラーは規定閾値の2~3倍耐えることができます。
当社は、単一または複数のレーザーライン、また広帯域チューナブルレーザー光源用のコーティングを設計・製造することができます。また、部分反射鏡、出力カプラー、エタロンなど、あらゆる入射角や偏光状態に対応したコーティング設計を行います。当社の世界クラスの製造設備は、あらゆる硝種や多くの結晶基板で、<λ/20の面精度、10-5の表面品質、<0.5秒の平行度、<5オングストロームの面粗さで生産することができます。また、プロトタイプや生産数量に応じて、お客様から支給された基板へのコーティングも行います。
高出力アプリケーションでは、関連する波長での吸収が本質的に低い材料をコーティング設計者が選択します。しかしながら、高出力アプリケーション用のコーティング材料の選択肢が限られていることも認識しておかなければなりません。システム設計者は、光学設計プロセスの初期段階から、適切な損傷閾値を持つ光学部品を設計することが重要です。
高出力紫外 (UV) レーザー用のコーティングは、可視や近赤外線 (IR) 用で用いるものとは異なる材料で作られます。高反射コーティングの核となる構造は、通常は1/4波長の膜厚の高屈折率層と低屈折率層を繰り返し積層しています。コーティングのデザインによって、損傷閾値は大きく変わります。最終層として半波長膜厚分の低屈折率材料 (通常は二酸化ケイ素) を加えるだけで、損傷閾値を測定可能なレベルで高くすることができます。二酸化ケイ素 (SiO2) は、低屈折率層として一般的に受け入れられ、万能な選択であり、一般的に誘電体金属酸化物は、UV、可視、および近赤外レーザーアプリケーションに対して好まれる材料です。チタン、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、ニオブの酸化物は、いずれもよく使われる高屈折率材料です。
BBHRとNBHR (ノッチフィルター)
- 可視用広帯域:Ravg >98%, 425-675nm, 0-45° 入射角
- ノッチフィルター:R >90% @ 中心波長 (CWL), 半値全幅 FWHM <0.12 x CWL, Tavg >90% (バンド波長帯域外)
- 300-1800nm (BBHR) と 350-850nm (ノッチ) の波長間で特注コーティング対応可
Figure 5: 広帯域 & 狭帯域用高リフレクタ
シングル & デュアルレーザー波長用リフレクタ
- 190-3000nm (シングルライン)、あるいは350-1700nm (デュアルライン) までの1 or 2 の選択波長で最大反射率
- シングルライン: R >99.5% @ 設計波長
- デュアルライン: R >98.5% @ 両方の関心波長
Figure 6: デュアルレーザーラインリフレクタ
レーザー単波長用ビームスプリッター
- 5% ~ 95% までの反射率 (顧客要件に基づき)
- 反射率スペック: R% = ±2%; 典型値: R% = ±1%
- 45° (ランダム偏光 & 無偏光バージョン)
- 250-3000nm までの設計波長
Figure 7: レーザーライン用ビームスプリッターコーティング
補足: どのグラフや数値も典型値 (参照用のみ)
| エドモンド・オプティクスの製品 – 標準のミラー用金属膜コーティングは以下の光学部品に付いています: | |||
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ミラー |
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プリズム |


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