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血液

オプティクスと血液診断の進化

 血液は、人体を司る細胞や組織および器官の適切な機能性と健康、そして維持を確かなものにします。白血病や鎌状赤血球症、そして貧血症を始めとする血液の病気は、フローサイトメーターやセルソーター、顕微鏡といった診断デバイスを先進技術で補助することで発見・治療されます。こうした発展は、過去20年にわたるオプティクスの大きな進化なしでは可能にならなかったでしょう。ハイエンド向けの光学フィルター用コーティングマルチエレメント構成の対物レンズといった光学部品の進化が、血液学や血液に影響を及ぼす疾病の診断と治療の研究と発展に劇的に貢献してきました。

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Blood and Optics

血液の病気

 フローサイトメトリーなどの先端診断技術によって見つかる血液の病気の代表的なものを以下に紹介します。光学的な進化が、こうした病気のより容易な発見と治療を可能にし、より素早く、より携帯性が高く、より使い勝手の高い医療テクノロジーや医療機器を可能にします。

Figure 1: 血液の病気の図解

白血病 (Leukemia)

 血液の癌として知られる白血病は、骨髄や他の血液を作る部位が異常となったり、白血球が駄目になってしまう悪性の進行性疾患。これによって、血漿 血液の主要な液体部分。赤血球細胞や白血球細胞および血小板を保持かつ動かすものと考えられている。血漿のおおよそ95%は水分からできており、その量は人間の全血液量の50%を少し超えるとされる。血漿の残りの部分はたんぱく質、糖質、脂質、無機塩類、代謝物質からなる。内で正常の健康な血液細胞の生成が抑制される。

サラセミア (Thalassemia)

 人体に酸素を運ぶ重要な役割を担う赤血球細胞内のたんぱく質、即ちヘモグロビン 赤血球細胞を構成する鉄分を含んだたんぱく質。人体に酸素を運ぶ重要な役割がある。酸素は人体内の決定組織や器官に運ばれ、人体が機能するのに不可欠な代謝過程を完結させる。の異常な形状変化で起こる血液疾患。酸素は人体内の決定組織や器官に運ばれ、人体が機能するのに不可欠な代謝過程を完結させる。この血液疾患により、疲労感や骨の障害、脾腫、黄疸、更には子供の成長の遅れを引き起こす。

診断技術

 血液や他の体液の観察や診断およびその治療に、数多くの技術や方法が用いられます。最も一般的な技術は、フローサイトメトリーやセルソーティング、オプトフルイディクス、顕微鏡検査です。

フローサイトメトリー

 流体懸架装置内を流れる粒子の物理的及び化学的特性を解析する強力な測定技術。粒子がレーザービーム光路内を流れ、そこで生じた前方散乱光や側方散乱光を収集することで定性かつ定量的データが集められる。

セルソーティング

 フローサイトメトリーの一種であるFACS (Fluorescence activated cell sorting) は、個々の細胞を解析して異常なものだけを能動的に選別する。この技法は、各細胞の特性を解析するのに一般的な光散乱や蛍光測定が用いられる。

オプトフルイディクス

 マイクロ流体工学の分野にオプティクスを組み合わせた技術。液晶ディスプレイやエネルギー、光学レンズなど主要アプリケーションは多岐にわたるが、主要なベンチャー企業はラブオンチップ装置やバイオセンサー、分子イメージングシステムに注力する。

ハイスループットスクリーニング

 製薬において非常に多く用いられるパワフルな創薬プロセス。人的エラーのリスクを軽減しながら新薬の迅速な開発を可能にする自動化手順が代表的。

顕微鏡検査

 伝統的な光学顕微鏡は、スライドあるいは準備された細胞や試料を観察するのに用いられた。共焦点顕微鏡や多光子顕微鏡といったハイエンドの顕微鏡は、細胞内活動やたんぱく質同士の相互作用をより良く理解するため、複数のレーザーにスキャンニング用ミラー、電動アクチュエーター、ハイエンドのディテクターアレイを利用する。

FACS

 生体細胞の蛍光と散乱特性を用いて容器別に選別する特別な種類のフローサイトメトリー。不均質な混合物を一時に選別するのに用いられる。

Diagnostic Techniques

テクノロジー紹介: フローサイトメトリー

 フローサイトメトリーは、血液や他の体液の病気の検査や検出に欠かせない技術です。フローサイトメーターは、3つの重要なシステムで構成されます。流体懸架装置 (fluidics system)、電子検出システム (electronic detection system)、そして光学システムです。

Flow Cytometry
Figure 2: フローサイトメーターの代表的な構成

流体懸架装置: 流体力学的絞り込み

定性検査には高フローレートを使用:

  • 体の表現型の検査や予見を行うのに、DNAシークエンシングやジェノタイピングから収集した遺伝子のみの情報を使用

高解像検査には低フローレートを使用:

  • 細胞やDNA分析

電子検出システム

前方散乱光: レーザービームの光路から少しずれたところでの散乱光を計測し、対象エリア内中の粒子を検出

側方散乱光: 屈折率が変化する細胞内の境界面全てで屈折光や反射光を計測。屈折率の大きさは細胞の複雑性や粒度に比例

使用機器

  • 光電子増倍管 (PMT): 側方散乱光 (信号) や蛍光によって生じる微弱光の検出に使用
  • フォトダイオード: 検出感度はPMTより低いものの、より強く生じる前方散乱光 (信号) の検出に使用

光学システム

励起用オプティクス: レーザーとレーザービームの整形/集光用レンズ

蛍光用オプティクス: 散乱光を取り込む様々なレンズと、ビーム進行を適切に行うミラーやフィルター、そしてビームスプリッター

蛍光顕微鏡用の蛍光試薬と光学フィルター

蛍光試薬や光学フィルターが蛍光顕微鏡にどのように機能するかを学習しましょう。

製品スポットライト

 オプティクスは、血液分析に用いる先端診断装置や技術の多くになくてはならないものです。ビームスプリッターに、バンドパスやダイクロイック、ロングパスやショートパスといった様々なタイプのフィルターは、こうした装置や技術の大抵のものに用いられます。

Bandpass Filters

バンドパスフィルター

 バンドパスフィルターは、特定の波長域を透過し、それ以外の全ての波長の透過を遮断します。

Figure 3 (左): バンドパスフィルターの透過曲線形状

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光学
フィルター

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光学フィルターの設置方向

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特注バンドパスフィルター

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custom bandpass filter
Figure 4: ショートパスフィルターとロングパスフィルター各1枚を組み合わせ、独自のバンドパスフィルターを作る
Shortpass Filters

ショートパスフィルター

 ショートパス・エッジフィルターは、特定カットオフ波長よりも短い波長を透過するのに用いられます。

Figure 5 (左): ショートパスフィルターの透過曲線形状

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光学
フィルター

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光学フィルターの設置方向

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特注バンドパスフィルター

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Longpass Filters

ロングパスフィルター

 ロングパス・エッジフィルターは、特定カットオン波長よりも長い波長を透過するためにデザインされています。

Figure 6 (左): ロングパスフィルターの透過曲線形状

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光学
フィルター

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光学フィルターの設置方向

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特注バンドパスフィルター

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Dichroic Filters

ダイクロイックフィルター

 ダイクロイックフィルターは、不要な波長を反射し、所望するスペクトル領域を透過します。この機能は、光路を波長別に2つに分岐する必要があるアプリケーションで要求されます。

Figure 7 (右): ダイクロイックフィルターの透過曲線形状

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光学
フィルター

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光学フィルターの設置方向

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Beamsplitters

ビームスプリッター

 ビームスプリッターは、入射光を2つの独立した光路に分割するのに用いる光学部品です。ダイクロイックフィルターとは異なり、光を波長別に分岐しません。ビームスプリッターは、50/50や70/30といった反射/透過の分岐比で光路を2つに分割します。

Figure 8 (左): 入射光を2つの独立した光路に分割するプレート型ビームスプリッター

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エドモンド・オプティクス®の血液分析に向けたミッション

  • 世界中の血液健康診断をより良くしていくためのオプティクスを設計/製造する
  • 貧血症や白血病、鎌状赤血球症、骨髄腫、サラセミア、真性多血症、血友病といった世界中に広がりながらもさほど認識されていない血液疾患を正しく診断する光学システムの開発促進
  • 検査技師や看護師、技能士がボタン一押しで素早く正確に診断できる使い勝手の高い光学デバイスの開発
  • 貧困地域や現代的健康管理が難しい過疎地域に向けたPOCデバイスの開発促進を可能にする革新的光学部品の研究開発
  • 健康状態に影響を与える血液疾患の世界的負担を軽減する非侵襲光学診断技術の促進
 
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