オプティクスと眼への先端診断

 眼は人体の中で最も大事な器官の一つです。失明や遺伝性疾患、或いは糖尿病性網膜症といった健康上の問題は、新種かつ改善された医療技術によって発見/治療されます。これは、光学的な研究グレードシステムや携帯可能なPoCデバイスの発展によるところが大きいです。 エドモンド・オプティクスの非球面レンズアクロマティックレンズは、眼及びその細胞、層、神経全ての画像を取得する光学デバイス内に広く用いられます。非球面レンズの球面収差補正能力は、眼の微細構造の画像をとても高品質に取得することを可能にし、対するアクロマティックレンズの色補正能力は、広波長帯域照明を用いる際に高品質画像を取得することを可能にします。当社の広帯域用反射防止コーティングは、広い透過波長域に対応しており、UVや可視、及びNIRの波長域を出射する様々なLEDやレーザー光源に対応します。反射防止コーティングは、当社のどのオプティクス製品にも付けることができ、多様なイメージング用途での使用を可能にします。

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眼の疾患

 以下は、先端診断技術によって見つけることのできる眼の疾患の代表的なものです。これらの疾患は、加齢や鈍的外傷といった様々な原因により生じますが、業界内での光学的な発展によって最も容易に発見かつ治療されてもいます。医療技術並びに携帯可能で素早く簡便に使用できる医療機器の発展は、こうした光学的な発展が無視できません。

糖尿病性網膜症

 糖尿病が原因で生じる網膜 眼の後方側に位置する薄膜組織で、中に光を感じる視細胞がある。この視細胞が視神経から脳へと伝達する神経インパルスを出し、我々の脳内でそれを視覚情報として処理している。光を感じるこの細胞は、光レセプター (光受容体) として知られる。への損傷で、失明に繋がることも多い。米国では、失明になった全ケースの12%がこれに当たり、その中の約80%の人々は長期的な糖尿病に苦しんでいる。

加齢黄斑変性 (AMD)

 AMD (Age-related macular degeneration) は、視野中央部での視界がほやけたり、或いは全く見えなくなる疾患。この疾患は、網膜の黄斑部内にある光レセプター 網膜内にある神経細胞の一種で、光を信号に変換する。この信号を脳が視覚情報として処理している。桿体 (Rods) や錐体 (Cones) として知られる2種類の光レセプターがあり、この2つの光受容体が協力することで、画像情報として認識できる。の変性により生じるが、全盲になることはめったにない。AMDは物体や人を視認する能力を著しく低下させる。

緑内障

 視神経 網膜内の光レセプターによって発生した電気的インパルスを脳に伝達する知覚線維。への損傷や視力障害を引き起こす眼の疾患。緑内障による視力障害は、ゆっくりかつ徐々に進行していくため、発見が遅れて治療不可となってしまうことも多い。全世界で2番目に大きい失明要因。

白内障

 眼のレンズに当たる部分 (水晶体 虹彩や瞳孔の後に直接位置する透明かつ柔軟な組織。光を網膜上に集光させるのを助け、眼の集光力の25~35%を占める。レンズとしての曲率を変えることで集光力を調整する。) が曇ることによって生じる視力障害。多くは加齢によって生じるが、鈍的外傷や不健康から生じることもある。白内障は、全世界の失明の半分を占める。
Figure 1: 眼の構造図

疾患に対する診断技術

 眼の病気や疾患を治療するのに、様々な先端診断技術が用いられます。光学技術の進歩によって、より多くの技術やデバイスが出現しており、疾患を発見する精度や診断速度が向上してきています。また現状治療不可能な病気をより詳しく理解し、治療方法発見の道筋も見え始めてきています。

レーシック

 人間の視力を補正するために行うレーザーを用いた眼科手術。レーシック (LASIK) は、近視や乱視を治す屈折矯正手術で、レーザーを用いて眼の角膜形状を変えることで視力を改善させる。

眼科学

 眼の内部構造や研究、疾病を専門とする医学分野。数多くの深刻な病気を診断していくのに眼は重要な指標の一つとなる。診察の容易性と高次の透過性から、眼は光干渉断層像 (OCT) などの技術や様々なプラットホームを通じて、非侵襲医療イメージングの模範的存在となっている。

OCT

 光干渉断層計 (OCT) は、光を利用することで得られる生体組織での光学的散乱から高解像な3D画像を取得する強力な医療イメージング技術。近赤外 (NIR) 光を用いたシンプルな光干渉効果をベースにしており、生体組織内部を効果的に観察する。身体内部に深くなるほど得られる画像の解像度は一般に低くなるが、OCT以外の他の検査技法と併用することでそれを補う。

バイオメトリクス/瞳認証

 個々の瞳/虹彩を計算アルゴリズムを用いて個人を特定・認識する自動化された生体認証技術。人の眼のパターンは個々に固有で、年月が経過しても大きく変わらないことから、生体認証技術としてとても信頼性が高い。距離が離れていても区別や認識が可能。

製品スポットライト

非球面レンズ

 非球面レンズは、球面形状ではない面形状を採用し、曲率半径はレンズの中心から半径方向に向かって一定ではなく、変化しています。その最も大きな利点は、レンズの球面収差を補正し、高解像な画像を作り出すところです。非球面レンズは、OCTやバイオメトリクス、レーシック手術を始めとする多くの技術に用いられています。

Comparison of Spherical and Aspheric surface profiles
Figure 1: 球面と非球面プロファイルの比較
Figure 1: Spherical aberration in a Spherical Lens (left) vs an Aspheric Lens (right)
Figure 2: 球面収差が生じる球面レンズ (左図) と、同収差が生じない非球面レンズ (右図)
Ruggedized Technical Article

非球面レンズの使用メリットや製造方法
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Optical Lenses

TECHSPEC® 非球面アクロマティックレンズ
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Optical Lenses

TECHSPEC® プラスティックハイブリッド非球面レンズ
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アクロマティックレンズ

 アクロマティックレンズは、特性の異なる2枚の光学ガラスを貼り合わせ、色収差や球面収差の発生を制限するようにデザインしています。眼の状態を診断するのに広い波長スペクトルを利用する眼底カメラや広帯域OCTシステムなどの多くのデバイスに用いられています。

Polychromatic Imaging using a Plano-Convex Lens versus an Achromatic Lens
Figure 3: 平凸レンズとアクロマティックレンズを各々用いた時の多色光イメージング
Achromats and their Advantages

アクロマートレンズとその使用メリット
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TECHSPEC® YAG-BBAR Coated Achromatic Lenses

TECHSPEC® アクロマティックレンズ (YAG-BBAR マルチコート)
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TECHSPEC® Mounted Achromatic Lens Pairs

TECHSPEC® アクロマティックリレーレンズ
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標準規格品の単レンズや在庫販売用オプティクス

 迷った時は標準規格品を考えましょう! 標準規格品もしくは在庫販売用のオプティクスは、プロトタイプ品を設計したり構築するのに数多くの利点があります。特注品のオプティクスとは異なり、標準規格品のオプティクスは低価格で、在庫品として入手でき、リードタイムも短いです。効率性が高いことこの上ありません。

Ruggedized Technical Article

在庫品オプティクスを用いてデザインすること
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TECHSPEC® λ/20 PCX Lenses

TECHSPEC® λ/20 平凸レンズ
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TECHSPEC® Beam Shaping PCX Cylinder Lenses

TECHSPEC® ビーム整形用 平凸シリンダーレンズ
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ケーススタディ (英文資料)

3nethra, by Forus Health, plays a critical role in preventing treatable blindness worldwide
Figure 4: Forus Health 社の3nethra は、世界中で失明予防の大事な役割を担っています。

Forus Health 社

 Forus Health 社は、EOの光学設計の専門性と在庫販売部品を活用し、インド内で価格が手頃で、携帯性の高い眼科用デバイス: 3nethraを開発しました。3nethraは、予見可能な眼の病気を診断します。インドでは人口に対する眼科医の比率が低く、この使い勝手の良いデバイスが白内障や緑内障、糖尿病性網膜症や角膜の病気を予見するのに役立っています。

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エドモンド・オプティクスの眼の診断に対する使命

  • オプティクスの設計と製造を通して、世界中の人々の眼の健康を改善
  • 黄斑変性や糖尿病性網膜症、老眼や緑内障といった発見が見落とされがちな眼の病気を正しく診断する光学系の開発
  • 医師や検眼医、看護師、検査技師がボタン一押しで素早く正確に診断できるような使い勝手の良い光学デバイスの開発
  • 革新的な光学部品の研究開発を通して、貧困地域や医療機器の導入が難しい場所へのPoCデバイスの普及を促進
  • 眼の健康全般に影響を及ぼす視力障害を減らすための非侵襲性光学診断技術を促進
 
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