
30°、60°、90°の角度構成を持ったプリズムです。B-C面へのアルミコートの有無により、分散プリズムや偏角プリズムとして機能します。
分散プリズム (コートなし):A-C面から入射した白色光 (平行光)は、一回の反射 (全反射)を経て同B-C面からスペクトルを出射します。また可逆的にB-C面を入射面に用いることも可能です。分散性は正三角形プリズムに比べると劣りますが、安価です。
偏角プリズム (コートあり): プリズム斜面を入射面として利用するリトロー配置に最適です。B-C面 (アルミコート付き)に対して垂直入射した波長の光は、往復屈折して元の方向に戻ります。このため白色光入射時の分光用途では、光がガラス内を往復するために、結果的に正三角形プリズムを用いたのと同等の分解能になります。また、A-C面から垂直入射した光 (平行光)は、都合二回の反射により、入射光の像の状態を変えることなく、60°偏角してプリズム斜面から出射されます (この時の偏角角度は、色に依存しません)。