空間フィルターの理解
Edmund Optics Inc.

空間フィルターの理解

 空間フィルターは、レーザーと共に使用して、同ビームを”クリーン”にするためにデザインされています。多くの場合、レーザーシステムはスムーズな光強度分布を持つビームを作り出すことがありません。クリーンなガウシアンビームを作り出すために、空間フィルターは不要な高次オーダーのエネルギーピークを取り除き、回折パターン中央部の最大強度のみを取り出します (図を参照)。レーザー光が光学系を通過する時、空気中あるいは光学部品表面に付着した塵や埃が光の進路を妨害し、光を散乱させることもあります。この散乱が、ビーム強度分布内に不要な回折リングパターンを残すのです。空間フィルターは、この追加の空間ノイズも光学系から取り除きます。空間フィルターアッセンブリは、顕微鏡用対物レンズにピンホールと位置決め用のメカ機構を組み合わせています。位置決め用のメカ機構には、ピンホールの開口を対物レンズの集光点に合わせるための精密XY軸移動機構があります。正しいピンホールと対物レンズの組み合わせを選択することで、最善の結果が生み出されます。以下の公式は、適切なピンホール径を決定するために用いられたものです。

Spatial Filter Assembly

 

(1)$$ \text{ビームスポットサイズ} \left[  \large{\unicode[arial]{x03BC}}  \text{m} \right] = 1.27 \frac{\lambda \, f}{D} $$

λ = レーザーの発振波長 (μm)
f = 対物レンズの焦点距離 (mm)
D = 入射ビーム径 (mm)

 

下記表に記載されたピンホール径は、以下の公式を元に算出しています (補足事項を参照):

(2)$$ \text{ピンホール径} \left[  \large{\unicode[arial]{x03BC}} \text{m} \right] = 1.5 \times \text{ ビームスポットサイズ} \left[  \large{\unicode[arial]{x03BC}} \text{m} \right] $$

 

補足: 公式2.0 にある1.5の係数は、最大限のエネルギーを通過させながら、空間ノイズを可能な限り取り除く目的の最善係数として決められたものです。

ピンホール径の選定表
顕微鏡用対物レンズの焦点距離 (mm)5.5mm8.0mm8.5mm9.0mm
1.84mm Input Beam Dia. 3.603349 5.241235 5.568812 5.896389
1.56mm Input Beam Dia. 4.250104 6.181969 6.568342 6.954715
1.44mm Input Beam Dia. 4.604279 6.697133 7.115704 7.534275
1.34mm Input Beam Dia. 4.947882 7.196919 7.646727 8.096534
1.31mm Input Beam Dia. 5.061192 7.361734 7.821843 8.281951
1.21mm Input Beam Dia. 5.479473 7.970142 8.468276 8.96641
0.92mm Input Beam Dia.

7.206698

10.48247

11.13762

11.79278

 その他のトピックスやより詳細な情報が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。どのような提案や特定アプリケーション要件の相談にも応じます。

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