非軸放物面ミラーの選定ガイド
Edmund Optics Inc.

非軸放物面ミラーの選定ガイド

放物面ミラーは、コリメート光を球面収差を発生させることなく一点に集光させる能力があります。非軸放物面ミラーは、放物面ミラーの光軸以外の一部を単純に取り出したものです。非軸放物面ミラーに入射したコリメート光は、ある一点に集光されます。しかしながら、非軸放物面ミラーは、同軸設計の放物面ミラーにはない一つの利点があります。それは、光路の邪魔をすることなく、焦点周りの空間を有効に使える点です (Figure 1)。

Off-Axis Parabolic Metal Mirrors
Figure 1: 非軸放物面メタルミラー

放物面形状のどの部分を取り出すかで、非軸放物面ミラーの非軸角度、即ち入射ビームと反射ビーム間の角度は、大きくも小さくもでき、再現可能になります。非軸角度がそれぞれ15° と 45° のミラーのモデルをFigure 2に示します。 補足: 入射ビームを光軸と平行に保つことが重要です。平行からずれてしまうと、コマ収差が発生します。

Diagrams of 15 Degrees and 45 Degrees OAP mirrors
Figure 2: 非軸角度 15° と 45° の非軸放物面ミラー
Reflectance Curves for Metallic Mirror Coatings
Figure 3: 金属膜ミラーコーティングの代表的分光反射率曲線

 

選定ガイド

以下の選定ガイドは、非軸放物面ミラー各タイプの強みや限界を詳細に解説しているため、製品選定の際に役立ちます。

TECHSPEC® 50Å 非軸放物面ミラー
TECHSPEC<sup>®</sup> 50Å Off-Axis Parabolic Mirrors

TECHSPEC® 50Å 非軸放物面ミラーは、散乱損失を最小化しながら、入射コリメート光を特定の角度に反射/一点集光するためにデザインされています。アルミ基板を特別な製造工程を用いて加工することで、可視スペクトルでの散乱を減少させる低散乱非軸放物面ミラーが出来上がります。どのミラーも、可視光での低い散乱性を確認するため、He-Neレーザーを用いて検査しています。


Typical Scatter Profiles
Figure 4: 代表的な散乱特性: 左の写真が標準的なメタル基板採用の非軸放物面ミラー、対する右の写真がTECHSPEC® 50Å 非軸放物面ミラー
強み
制限
  • 可視スペクトルでの低散乱に向けてデザイン
  • アルミ基板ミラー
  • 面粗さや面精度を改善
  • クリーンな環境で使用する必要あり
TECHSPEC® 100Å 非軸放物面ミラー
Off-Axis Parabolic Metal Mirrors

メタル基板のミラーは、15°, 30°, 45°, 60°, 90° の非軸角度オプションが選べます。どの角度のものでも、保護膜付きアルミ、保護膜付き金、そして保護膜なし金のコーティングが選択できます。これらのコーティングにより、一連の波長域にわたって優れた反射率を得ることができます。エドモンド・オプティクスでは、各コーティング、各非軸角度に異なる直径サイズも用意しています。これらのミラーは、シュリーレンシステムやMTFシステムでのコリメーターとして一般に用いられますが、金コーティングが施されたミラーはFLIRシステムにも用いられます。

強み制限
  • アルミ基板ミラー.
  • 15°, 30°, 45°, 60°, 90° の非軸角度オプション
  • アルミと金のコーティングオプション
  • 175Å の面粗さにより、光の低散乱性が要求される可視やUVアプリケーションには不向き
高性能非軸放物面ミラー
High Performance Off-Axis Parabolic Mirrors

エドモンド・オプティクスは、集光能力の向上に向け優れた面精度を有するガラス基 板採用の高性能非軸放物面ミラーも販売しています。代表的アプリケーションとして、チェルニ・ターナー式やリトロー式のスペクトロメータでの使用、及び一般的なコリメーターやビームエキスパンダー光学系の構成があります。このミラーは、UVから可視光スペクトルでとりわけ良好に機能します。
製品を見る

Simulation Result of Aluminum Coating Reflectance
Figure 5: 10,000~20,000nm間のアルミコーティングの反射率シミュレーション結果
強み
制限
  • 高品質ガラス基板
  • λ/4 か λ/2 の面精度
  • UVや可視アプリケーションに最適
  • 一般的に長焦点距離設計
  • 所定の角度位置での固定が要求されるため、アライメント作業に労力を要する
  • ガラス基板はテラヘルツ周波数アプリケーションには不向き
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