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Non-Circular Optics for System Miniaturization

余分な部分をカット: システムのダウンサイジングに向けレンズの形状を変更

 

正方形オプティクスや形状変更されたオプティクスは、ツェルニーターナー分光器などの従来型の光学デザインの全体積を削減

 

正方形レンズを一般的なプラットフォームに表面実装することで熱機械的安定性が向上

 

パッケージング工程中のレーザーダイオードのコリメートもしくは真円化に高開口数のマイクロシリンドリカルレンズを利用可能

 

標準レンズおよびミラーの多くは、コンパクトな光学系内への表面実装を容易にするため特注寸法切断可能

レンズについて考える時、多くの人は伝統的な回転対称の丸いレンズを思い起こすはずです。この先入観にはもっともな理由があります。ほとんどの歴史を通じて、レンズ製造は球面および非球面レンズを精密に成型・研磨するために、この対称性に依存してきたのです。この放射対称性は、オプトメカニクスデザインにおいて非常に貴重なツールとして機能し、複雑な光学系の芯合わせやアライメントを容易にします。このパッシブアライメントプロセスの典型として、顕微鏡用対物レンズやハイエンドカメラ用レンズといったチューブ内へのレンズのアライメントがもっともわかりやすい例として挙げられます。どちらの例でも、レンズとスペーサーリングはチューブ内で自動的に芯出しされるため、製造の時間とコストを大幅に削減しながら、同時に良好な機械的安定性を得ることができます (Figure 1)。

Traditional circularly symmetric, round lenses are self-centered by circular spacers and retaining rings in conventional optical assemblies, simplifying assembly and alignment
Figure 1: 伝統的な回転対称の丸いレンズは、従来型の光学アッセンブリ内の円形スペーサーやねじリングによって自動的に芯出しされるため、アッセンブリとアライメントを簡単にする

残念なことに、技術トレンドはより小さく、よりコンパクトなデバイスへと押し進んでいるため、パッケージ内部には機械的なマウントやガラスの未使用部分といった余分な材料のためのスペースが必ずしも残されているわけではありません。こうした理由のため、最新の多くの電気光学パッケージは、正方形や形状変更が施された光学部品を利用するようにデザインされています。こうした光学部品は、円形もしくはV溝のマウントを必要とすることなくプラットフォーム上にフラットに固定することができます (Figure 2)。多くの様々な光技術 (特にマルチプレクサーや増幅器などの通信技術) でこうした部品が利用されています。簡略にするため、ここでは小型スペクトロメーター (分光器) とファイバーカップリングレーザーダイオードの二つに焦点を当てて説明します。

Square or truncated optical components are becoming increasingly critical for a variety of space-constrained, electro-optical applications
Figure 2: 正方形や形状変更が施された光学部品は、スペースに制約のある様々な電気光学アプリケーションにとってますます重要になっている

小型スペクトロメーターでの形状変更済みミラー

現在の小型スペクトロメーター (分光器) に用いられているもっとも一般的な光学デザインは、ツェルニーターナー構成として知られています。この構成では、入射側スリットからの光は小さな凹面ミラーによってコリメートされ、その後、回折格子に向かいます。光が回折格子に入射すると、コリメートな状態のまま、プラットフォームに平行な軸に沿ってさまざまな波長に分散されます。そのため、スペクトロメーターのリニアディテクターアレイ上にスリット像の多くを結像させるために、比較的大きな集光用ミラーが必要になります。しかし、これは1軸の場合だけです。そのため、プラットフォームと同一平面に取り付けられるように円形ミラーの上部と下部をカットすることが一般的です。これによって、システム全体の高さを大幅に削減できます。

Schematic of a Czerny-Turner spectrometer utilizing two truncated focusing mirrors
Figure 3: 2枚の形状変更済み集光用ミラーを利用したツェルニーターナー分光器の概略図

更に新しい小型およびマイクロスペクトロメーターのデザインでは、このトレンドが一層進み、回折格子の代わりにMEMS方式の空間光変調器とこうした形状変更済みのミラーを組み合わせています。MEMS技術によって、オプティクスのサイズは更に縮小が可能で、ディテクターアレイは単一素子のフォトダイオードに置き換えることができます。これによって、スペクトロメーター全体のサイズを場合によっては消しゴムほどの大きさにまで小さくすることができます。スペクトロメーターのデザインをこのレベルの小ささに到達させるには、表面実装ができるようにコリメート用と集光用の両方のミラーを形状変更して平坦なエッジにすることが必要です。この場合、両方のミラーの接着固定前のアライメントに「ピック&プレース」式のマイクロポジショニングシステムが採用されます。以下のセクションでは、マイクロポジショニングについて更に説明します。

ファイバーカップリングダイオードレーザーでの正方形レンズ

レーザーダイオードに一般に用いられているレーザーパッケージは多数の異なる種類が存在しますが、14ピンバタフライ型は高性能ファイバーカップリングレーザーダイオードのほとんどの部分において業界標準になっています。このパッケージは、集積型の熱電冷却器 (TEC) 上にマウントする一般的なプラットフォームが使用できるので、優れた熱機械的安定性が得られます。このプラットフォーム (通常は8mm x 15mm未満) は、ガラスの熱膨張係数 (CTE) に一致する銅タングステンなどの材料から作られます。CTEの一致により、パッケージ内部の光学素子に損傷を与えたりミスアライメントを招いたりすることなく、広い温度範囲でレーザーダイオードを駆動させることができます。しかしながら、従来型の円形のマイクロオプティクス、シリコン製V溝、金属製リングマウントを使用することは、CTEの不一致による不安定性につながり、もともと余裕の無いパッケージ内のスペースを減らし、アライメント能力も不十分なものにします。現在のレーザーダイオードパッケージのトレンドは、プラットフォームに直接接着固定する、もしくは「ゼロギャップ」実装として知られる方法により第2のガラス片でスペースを埋める正方形もしくは長方形のマイクロレンズを利用することです。こうしたレンズは、遥かに優れた信頼性を提供し、パッケージ内で必要なスペースも最小限で済み、サブミクロンの精密なアライメントを可能にします。

14-pin butterfly laser diode dependent on non-circular optics
Figure 4: 14ピンバタフライ型レーザーダイオードは非円形オプティクスを採用

こうした正方形の光学素子 (通常1-3mmのサイズ) を利用することで、熟練した作業者はプラットフォーム上のオプティクスをアライメントするのにマイクロポジショニングステージを積極的に用いることができます。真空式のピックアップツールで構成されたこのステージは、正方形オプティクスの上面もしくは側面部を吸着する時、オプティクスを通常5自由度でフリースペース内にアライメントさせることができます。同時に、レーザーの出力はリアルタイムでモニターすることができます。作業者が正方形オプティクスの代わりに円形オプティクスを用いてこれと同じことを行おうとすると、レンズは正方形もしくは長方形のレンズホルダー内にマウントされている必要があり、全体の体積が大幅に増加し、パッケージ内に実装できる光学素子の最大数が減ってしまいます。

ファイバーカップリングされた典型的な14ピンバタフライパッケージでは、効率的で安定したカップリングを行うために最大3枚の独立したレンズが必要になります。ハイエンドなレーザーダイオードの多くは、2枚の非球面正方形マイクロレンズを交差させて使用し、レーザーダイオードのファスト軸とスロー軸の拡がり角の差を相殺します。最初のレンズはファスト軸コリメーション (FAC) レンズとして知られ、この拡がり角のために一般に約 500µm の焦点距離がある十分な開口数を持つ必要があります。拡がり角は、出射開口のサイズが小さいため通常25°前後になります。シングルモードなのかマルチモードなのかによりますが、スロー軸の拡がり角はファスト軸に比べて1/3~1/5程度の大きさになります。そのため、ビームを真円化するためには、スロー軸コリメーション (SAC) レンズの焦点距離をFACレンズのそれよりもかなり長くする必要があります。ダイオードのサブマウントのサイズにもよりますが、利用できるプラットフォームのスペースの1/3程度までがこうした素子で占められることも珍しくなく、この点も円形オプティクスの代わりに正方形マイクロオプティクスを利用することの重要性を示しています。ビームがコリメートされた後は、光をファイバーオプティクス内に結合するために第3の正方形レンズ (通常は非球面) が必要となります。ビームプロファイルと拡がり角がコリメーション段階の間モニターされるのと同様に、最大出力が得られるようにファイバーカップリングプロセスも能動的にモニターされます。いくつかのシングルモードのファイバーカップリングレーザーでは、偏光消光比もモニターされる場合があります。低出力レーザーを用いるコスト重視のレーザーダイオードシステムでは、FACとSACのシリンドリカルレンズの組み合わせを用いる代わりに、1枚の球面もしくは非球面レンズが用いられることもよくあります。

Two cylinder lenses are often used to circularize the output of laser diodes. Filters and other optical components can be inserted into the collimated beam path between the SAC lens and the coupling lens
Figure 5: レーザーダイオードの出力を真円化するために2枚のシリンダーレンズが頻繁に用いられる。フィルターなどの光学部品は、SACレンズとカップリング用レンズ間のコリメートされた光路内に挿入することができる。

非円形オプティクスのカスタマイズ

上記は、最新の電気光学デバイスへの非円形オプティクスの使用例を二つ紹介したに過ぎません。デバイスパッケージの更なる小型化のトレンドは継続しているため、正方形や形状変更されたレンズやミラーの人気は拡大の一途をたどるはずです。こうした光学素子にはいくつかの在庫販売品がある一方で、大部分はある種のカスタマイズが必要になることを理解しておくことは重要です。エドモンド・オプティクス (EO) は、1-3mm程度のサイズの非円形オプティクスは製造していませんが、正方形のシリンダーレンズを標準在庫品として幅広くラインナップしているほか、二次加工による在庫品の形状変更にも対応しています。在庫品の二次加工は、サイズや重量を重要視するアプリケーションにとって最適なサービスです。形状変更やシリンドリカルレンズ、大ロットの特注サイズなどに関する対応力については、当社までお問い合わせください。

FAQ (よくある質問)

FAQ  オプティクスを形状変更することによってキネマティックマウントが必要なくなるのは何故?
レンズやミラーが円形ではなく平坦なエッジを持つように形状変更することによって、光学素子はマイクロポジショニングステージで容易に操作できるようになり、表面に直接接着固定する、もしくは一度マウントに接着固定し、マウントごと表面に接着できるようになります。
FAQ  特注で正方形オプティクスを成型するのに対して円形オプティクスを直線カットして正方形にすることのメリットは?

成型された正方形オプティクスは大量生産には最適な選択です。しかし、成型プロセスは非常に高価です。少量生産や試作には、大きな円形のオプティクスをそれよりも小さな正方形オプティクスにカットするほうが望ましいことが多いのです。

FAQ  レーザーダイオードのコリメーションにはシリンドリカルレンズを交差させて用いなければならない?

ビームの品質と拡がり角が重要ではないローエンドのレーザーデバイスでは、多くの場合、1枚の非球面レンズで乗り切ることができます。しかしながら、真円化、拡がり角、共焦点性が重要な場合は、シリンドリカルレンズを交差させて使用するのが一般的にもっともコスト効果の高いオプションになります。

FAQ  ファイバーへのカップリング前に何故レーザーダイオードをコリメートする必要がある?
厳密に言えば、レーザーダイオードの出力を最初にコリメートすることなくファイバーカップリングが可能な光学デザインも存在します。しかしながら、こうしたデザインは全てファイバーのカップリング効率を大幅に低減させる大きな非点収差に悩まされます。レーザーパッケージ内にコリメートされたビームを持つことで、マイクロ光アイソレーターやバンドパスフィルターなどの光学素子を追加することが可能になります。

参考資料

アプリケーションノート

理論的説明や公式、図解などを網羅した技術情報やアプリケーション実例です。

シリンドリカルレンズを 使用する際の考察
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シリンダーレンズとは?
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アクロマティックシリンダーレンズをなぜ選ぶ?
読む  

映像情報

シンプルなヒントから製品のメリットを紹介するアプリケーションベースの実演までを網羅したビデオコンテンツです。

シリンダーレンズ製品レビュー
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