
ウエッジプリズムは、一枚使用、或いは2枚1組で用いて、レーザービームを偏角することができます。レーザーを光源にしてプリズムを回転させると軌跡は円を描きます。ビームステアリング用途に最適です。一枚のウエッジプリズムで偏角できる能力は、ジオプターの単位で表されます。1ジオプターは、1m先の照射距離でビームを1cmずらすことのできる大きさです。なお波長 (屈折率)別偏角度 (θd)は、(n -1) x [ウエッジ角度]により近似できます。
ウエッジプリズムを2枚用いることで、ビーム整形用のアナモルフィックプリズムとして使用することができます。ダイオードレーザーの楕円ビーム形状を補正することができます。また2枚1組のウエッジプリズムは、全角4θ (θはプリズム一枚時の偏角量)の範囲内でビームを偏角することができます。ビームステアリングは、2枚のプリズムの光軸を一致させた状態で、互いに独立して回転させることで可能になります。イメージングアプリケーションにおいては、ビームを異なる位置でスキャンする用途に代表して用いられます。