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焦点距離と実視野の理解
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社

焦点距離と実視野の理解

本ページはイメージングリソースガイドセクション1.3です

固定焦点レンズ

 伝統的なレンズデザインとして知られる固定焦点レンズは、一定の画角 (Angular Field of View; AFOV)を持つレンズです。作動距離に合わせてレンズのピントを合わせることで、画角は一定ながら、異なる実視野サイズ (Fields of View; FOV)を得ることができます。AFOVの角度の大きさは一般に全角で表し、レンズを使用するセンサーの水平方向 (横方向)の寸法に関係してきます。

補足: 固定焦点レンズは、ピントを固定したレンズではないことにご留意ください。固定焦点レンズは、異なる距離に合わせてピントを合わせることができます。ピントを固定したレンズというのは、一カ所の特定作動距離での使用を念頭に設計されたレンズを指します。テレセントリックレンズや顕微鏡用対物レンズの多くは、このピントを固定したレンズの部類に該当します。

 レンズの焦点距離は、レンズ画角の大きさを決定します。使用するセンサーのサイズが一定の場合、焦点距離が短くなるほどレンズ画角が広くなります。加えて、レンズの焦点距離を短くすると、焦点距離の長いレンズで得ていたのと同じ実視野サイズを得るためには、その作動距離を更に短くしていかなければなりません。単純な薄肉凸レンズの場合、レンズの焦点距離は、物体を無限遠に配置した時のレンズから像面までの距離となります。この定義から、レンズ画角の大きさは焦点距離に関係していることがわかります (公式 1)。ここで、f はレンズの焦点距離 (単位はミリメートル)、h はセンサーの水平方向の寸法 (単位は同じくミリメートル)になります (Figure 1参照)。

(1)$$ \text{AFOV} \left[ ° \right] = 2 \times \tan ^{-1} { \left( \frac{h}{2f} \right)} $$

For a given Sensor Size, h, Shorter Focal Lengths produce Wider AFOV’s
Figure 1: 同一のセンサーサイズと像高 h時には、焦点距離が短いほど得られる画角の大きさが広くなります。

 焦点距離は一般的にレンズの後側主平面から測られるため、イメージングレンズのメカニカルバック面とは通常一致しません。これが、薄肉レンズを使った近軸領域計算で算出した作動距離の大きさがおおよその値でしかなく、ビジョンシステムの機械設計を行う際は、コンピュータシミュレーション上で得られたデータ、もしくはレンズのスペック表から得られるデータを活用してレイアウトしなければならない理由の一つです。レンズの選定プロセスを素早く行うために、レンズの計算式として近軸領域計算を用いるのは出発点として良いのですが、計算上の数値であるため、使用する際は注意して用いなければなりません。

 固定焦点レンズを使用する際、ビジョンシステム (カメラとレンズで構成された)の実視野サイズの大きさを変更するには次の3つの方法があります。一つ目は、レンズから物体までの作動距離を変更する方法で、最も簡単に行えるものです。レンズを物体面から離すことで、実視野サイズを大きくすることができます。二つ目は、使用するレンズを変更して、別の焦点距離を持ったレンズに切り替えること。そして三つ目は、使用するセンサーのサイズを変更することです。センサーのサイズを大きくすると、同一のレンズ、同一の作動距離条件時で実視野サイズをより大きくすることができます (公式 1)。

 画角を超広角に設定すると、アプリケーション上便利になることも多々ありますが、超広角設定にはマイナス要素があることも同時にご留意ください。まず、焦点距離の短いレンズで得られる画像にはディストーションが多く、実際に得られる画角の大きさに影響を与えます。超広角設定の場合は、作動距離 (WD)が変化することでもディストーションの量は大きく変動し、画角もそれに応じて変動が大きくなります。次に、焦点距離の短いレンズは、同距離の長いレンズと比べた時に、高次の画質を得ることは通常難しくなります (EO ベスト・プラクティス #3をお読みください)。加えて、短焦点レンズは、中型から大型のセンサーサイズに対応することが難しく、センサーへの周辺光量 – ロールオフ (周辺減光)と口径食で解説したように、その有用性に制限を与えます。

 システムの実視野サイズを変える別の方法に、バリフォーカルレンズズームレンズの使用があります。この種のレンズは、焦点距離の調節が可能なため、画角の大きさを変えることができます。しかしながら、固定焦点レンズと比較した場合にサイズやコストの点で不利になることが多く、また固定焦点レンズと同次元の性能を得ることが難しくなる場合があります。

WDとFOVを用いて焦点距離を決定する

 多くのアプリケーションにおいて、レンズから物体までに確保したい距離と実視野サイズの大きさは既知となります (実視野サイズは、物体の実寸法に適当な余白エリアを加えることで、一般的に決定することができます)。これらの情報を公式 2に示した公式に代入することで、必要とする画角の大きさを求めることができます。この時、WDはレンズから物体面までの作動距離 (Working Distance; WD)、AFOVは画角 (Angular Field of View)になります。公式 2は、作動距離と水平方向の実視野 ( HFOV)の半値で形成される三角形の頂角の大きさをベースに求められることを表しています (Figure 2参照)。補足: 本公式を用いて得られた画角の計算値は、レンズの作動距離の出発点に当たる三角形の頂点と実際のレンズの機械的先端部とが通常は一致しないため、あくまで近似値として見なされるべきです。レンズの入射瞳位置が既知の場合は、それを作動距離の出発点として真の画角を求めることができます。

(2)$$ \text{AFOV} \left[ ° \right] = 2 \times \tan ^{-1} \left( \frac{\text{水平方向の実視野} \left[ \text{mm} \right] }{2 \, \times \, \text{WD} \left[ \text{mm} \right] } \right) $$ or $$ \text{水平方向の実視野} \left[ \text{mm} \right] = 2 \, \times \, \text{WD} \left[ \text{mm} \right] \times \tan \left( \frac{ \text{AFOV} \left[° \right] }{2} \right) $$
Relationship between HFOV, Sensor Size and WD for a given Angular FOV
Figure 2: 画角 (AFOV)が与えられた時の水平方向実視野 (HFOV)、センサーサイズ及び作動距離 (Working Distance)の関係

 必要な画角 (AFOV)が一旦決まってしまえば、必要となるレンズの焦点距離がどの程度になるかは公式 1を用いて算出することができます。次にレンズのスペック表やデータシートを確認し、使用するセンサーサイズに対して必要とする画角を持った最も近い焦点距離を持つレンズを見つけることで、適切なレンズを選定することができます。

 例1 (下記に紹介)で得られた14.25° の値は、必要となるレンズを選定するのに用いることができますが、センサーサイズも考慮に入れなければなりません。センサーサイズが変わると、レンズによって得られた像サイズのどのエリアまでを利用するのかも変わり、ビジョンシステムとしての画角を変えてしまうことになるからです。同一焦点距離時には、使用センサーサイズが大きくなるほど、得られる画角の大きさも大きくなります。例えば、焦点距離 25mmのレンズを½型センサー (水平方向で6.4mm)と組み合わせて使用した場合と、同距離 35mmのレンズを2/3型センサー (水平方向で8.8mm)と組み合わせて使用した場合の画角は、どちらも約14.5°になります。

 反対に、使用するセンサーサイズが既に決まってしまっている場合に必要となるレンズの焦点距離は、公式 2に同1を代入することで公式 3が得られ、そこに実視野 (FOV)や作動距離 (WD)を代入することで、直接算出することができます。ここで、hはセンサーの水平方向のセンサー寸法 (水平方向の画素数と画素サイズを掛け合わしたもの)、fはレンズの焦点距離で、どちらもミリメートル入力。またFOVとWDはどちらも同じ単位で代入する必要があります。前述の通り、上記の例では作動距離はおおよその値を理解するための近似値であり、またディストーションも考慮されていないため、システムの実際の作動距離 (WD)にはある程度の融通性が必要になります。

(3)$$ f = \left( \frac{h \, \times \, \text{WD} }{\text{水平方向の実視野}} \right) $$

固定倍率のレンズを用いた実視野の計算

 一般的に倍率が固定されたレンズというのは、作動距離が単一かある範囲内にのみ限定されています。テレセントリックレンズや他の固定倍率レンズを用いると、作動距離を変えて実視野サイズを調節するといった融通性が通常ないため、固定焦点レンズ以上の制約を受けます。しかしながら、実視野サイズの算出方法は、公式 4で示したように、とてもシンプルなものになります。

(4)$$ \text{水平方向の実視野} \left[ \text{mm} \right] = \frac{ \text{Horizontal Sensor Size} \left[ \text{mm} \right] }{\text{PMAG}} $$

 所望する実視野 (FOV)とセンサーのサイズは通常既知となるため、必要となるレンズの光学倍率 (PMAG)は、公式 4を変換して同 5のようにすることで、単純に求めることができます。

(5)$$ {\text{PMAG}} = \frac{ \text{Horizontal Sensor Size} \left[ \text{mm} \right] }{\text{水平方向の実視野} \left[ \text{mm} \right] } $$

 必要となるレンズの光学倍率が既にわかっていて作動距離も制約がある場合、公式 3内のh/FOVをPMAGで置き換えることにより次式 6が得られ、焦点距離の近似値を求めることができます。

(6)$$ {\text{PMAG}} = \frac{\text{FL}}{\text{WD}} $$

 なお公式 6は近似式であり、光学倍率が0.1倍を超える時や作動距離が短くなる時には急激に精度が落ちることに注意してください。0.1倍を超える倍率の場合、固定倍率レンズやコンピュータシミュレーション (Zemax等を用いて)した適当なレンズを選定する必要があります。また同じ理由により、インターネット上で見つけることのできるレンズ計算シミュレーションも参考値程度に捉えられるべきです。疑問がある場合は、レンズスペック表を調べてみてください。

補足: 実視野サイズを議論する際、その利便性から水平方向の実視野を用いるのが一般的ですが、物体全体が画像内に収まるためには、センサーのアスペクト比 (センサーサイズの縦方向に対する横方向の比)にも注意を払わなければなりません。

 なおこの時のアスペクト比には分数が用いられます (例: 4:3 = 4/3)。大抵のセンサーは、4:3、5:4或いは 1:1のアスペクト比を有します。同一のセンサーフォーマットのものでも、アスペクト比が異なれば、センサーサイズに違いが現れます。本セクション内で用いた全ての公式に変数として記載された水平方向の寸法は、垂直方向の同寸法に置き換えることで、垂直方向の実視野を計算するのにも用いることができます。

(7)$$ \text{水平方向の実視野} = \text{垂直方向の実視野} \, \times \, \text{アスペクト比} $$

レンズの焦点距離の計算例

作動距離 (WD)と実視野 (FOV)を用いて、レンズの焦点距離を計算する

例1: 必要な作動距離が200mm、水平方向の実視野が50mmのシステムの場合、画角 (AFOV)はいくつになる?

\begin{align} 2 \times \tan^{-1} \left( {\frac{50 \text{mm}}{2 \times 200 \text{mm}}} \right) & = \text{AFOV} \left[ ° \right] \\ \text{AFOV} & = 14.25° \end{align}

固定倍率のレンズを用いて実視野 (FOV)を計算する

例2: ½型センサー (センサーの水平方向のサイズは6.4mm)を用いて25mmの実視野 (水平方向)を得たい場合は?

\begin{align} \text{PMAG} & = \frac{6.4 \text{mm}}{25 \text{mm}} \\ \text{PMAG} & = 0.256 \text{X} \\ \end{align}

 固定倍率レンズまたはテレセントリックレンズのスペック表を確認することで、適当な倍率を選ぶことができます。 補足: 光学倍率が上がると、実視野サイズは小さくなります。計算で求めた値よりも低い光学倍率を持つレンズを選ぶ方が、所望する実視野サイズ全体が得られるため、通常は好まれます。例2の場合、0.25Xのレンズが市販品として最も近い選定オプションになります。このレンズを選定した場合、同一センサー使用時に25.6mmの実視野を得ることができます。

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