アメリカ — $10,000相当の製品
University of Illinois at Chicago, 米国 — 申請者:Simon Alford
脂質膜内タンパク質の実時間 (マイクロ秒)結合率の決定に関与する、全反射顕微鏡と蛍光異方性の組み合わせを用いた、生体細胞イメージングにおけるタンパク質間相互作用に対する新しいアプローチの開発に対して。全反射照明蛍光 (TIRF)偏光顕微鏡を活用したAlford氏のアプローチは、他のタンパク質間相互作用へ容易に拡張でき、脂質環境内でタンパク質に対し配位子の直接時間分解への応用を可能にする。また、このアプローチはプコモル量のタンパク質を検知し、生体細胞内でのインビトロ分析にも使用できる。その応用としては、うつ病の治療に関連したセレトニン受容体や、パーキンソン病に関連したタンパク質間受容体の研究が含まれる。
アジア — $10,000相当の製品
KAIST, 韓国 — 申請者:YongKeun Park
マラリア、癌、他の神経系疾患の研究を含む、ヒトの疾患を研究するために設計された、ホログラフィーベースのイメージング技術の開発に対して。複数の光散乱を回避する代わりに活用する、新たなイメージングシステムの開発において、飛躍的進歩を遂げた。具体的に、ホログラフィックの制御や計測を通じて、KAIST (韓国)のバイオメディカル光学研究所は、新たに開発した拡散スーパーレンズを使用して、近視野の直接制御を実証した。拡散スーパーレンズは、サブ回折限界ボリュームに集光するだけでなく、1枚の広視野長高解像度画像を得ることも可能である。この設計は、ナノフォトニクスとバイオフォトニクスに新しい枠組みを示すとともに、細胞内の分解能が新たな治療法の発見と開発の鍵となる、様々な疾患の研究に新たな道を切り拓くものである。
ヨーロッパ — 7,000ユーロ相当の製品
University of Cambridge, イギリス — 申請者:Craig Mackay
2013年度ノーマン・エドモンド・インスピレーション賞受賞!
追加で$5,000相当の製品を授与
世界最大級の地上顕微鏡を企図した、新たな種類の機器製造に対して。この機器は、5~10メートルクラスの望遠鏡と補償光学系、さらには可視における回折限界イメージを提供するラッキーイメージング技術を組み合わせることによって、宇宙望遠鏡よりもはるかに高い角度分解能を得ることが可能となる。ラッキーイメージング技術では、相対的にゆらぎのある「基準星」とともに、画像を高速で撮影する。その画像は、新しい種類の下位曲率波面センサーを使用することによってよりシャープになる。波面センサーは、瞳孔の片側における近瞳孔イメージの同時画像が波面を再構築し、さらにデフォーマブルミラーによって補正されるよう働きかける。最新の実験結果によって、ハッブル宇宙望遠鏡よりも約3倍の分解能を既に達成しており、2013年9月には、ラ・パルマ島 (カナリア諸島)で4.2mの望遠鏡を使用した更なる実験が計画されている。
アメリカ — $7,500相当の製品
The Pennsylvania State University – University Park, 米国 — 申請者:Jennifer Yang
植物の遺伝的分析と生理的分析のための、より明瞭かつ高分解能な解剖学的特性の供給を目的とした、革新的なレーザーアブレーション断層撮影法 (LAT)と、高スループット表現型検査プロジェクトに向けたシリアル撮像システムの開発に対して。この高スループットイメージング技術は、複数の大陸に広がる、制御された環境下 (試験場や温室)にある用地において、主要農作物の水や養分の生理的分析を行うために、ミクロとマクロの規模で根の構造と機能を評価する。Yang氏と彼女のチームは、世界的な農作物の出来高を増やすことを企図して、特注アプリケーションと3Dレンダリングを組み合わせ、トウモロコシ、大麦、米などの作物の根の構造と機能の理解を深めるためにその画像を分析している。
アジア — 7,500相当の製品
Shenzhen University (深圳大学), 中国 — 申請者:Li Heng (李 恒)
動的追跡法を遂行するための、損傷のない細胞の分析やナノポジショニングに使用される超分解能蛍光イメージングの開発に対して。ナノメートルの空間解像度で分子地図を取得する方法の開発と、生細胞内の複数の移動分子に対する動的機能のナノイメージングの実現に重点を置き、Heng氏と彼のチームは、結果を導くために、コヒレントアンチストークスラマン散乱顕微鏡法の回折限界を打破する、フォノン減少を誘発するプローブビーム法を提案している。彼らはまた、小細胞の超微細構造の変化を観察したり、ナノメートルの精度で細胞内を自由に移動する分子を追跡するために、高速フォーカスチューナブルレンズと、二重らせん点広がり関数法の長所を組み合わせた方法も研究している。未来のライフサイエンスやメディカルサイエンスの分野で発展していく上で、本プロジェクトの成果は、ナノ分解能の精度で細胞内全分子をマッピングし、生細胞内で複雑に交差した生物学的事象を研究する上で貴重なものである。
ヨーロッパ — 5,000ユーロ相当の製品
Ruhr-Universität Bochum, ドイツ — 申請者:Sarah Isabelle Ksouri
より複雑化・小型化していくマイクロシステムの仕様を満たすために必要な、新しいアッセンブリ技術の開発に対して。現代のマイクロテクノロジーにおいて使用される対象が多様化しているため、異なる形状の粒子を移動し、組み立てるために、焦点において安定的に捕捉することができるレーザービームを使用するための、新しいビーム形成の開発が行われている。Ksouri氏と彼女のグループは、捕捉する対象の形状にまったく左右されないビームを形成するため、ソフトウェアアルゴリズムを組み合わせたフレキシブルなビーム形状技術を開発した。本研究プロジェクトの長期目標は、機械的な力の介入を必要としない、完全な光学アッセンブリ法を実現することである。従って本プロジェクトは、様々な産業、特に非球面部品の位置決めに使用できる光学ツール (ツィザー)のみを使用した、3D構造の開発によって支えられる産業において、マイクロ構造やナノ構造に向かう全体的な流れをサポートする、大きな一歩となり得る。
アメリカ — $5,000相当の製品
University of Pittsburgh, 米国 — 申請者:Yang Liu
人間の患者から採取した標準的な細胞や組織の生検のために、通常の病理検査室にスムーズに導入できる、簡易で費用対効果に優れ、かつ高スループットの、臨床に適用可能な光学顕微鏡の開発に対して。Liu氏の顕微鏡システムは、細胞や組織の生検において、細胞下の構造変化に関してナノスケールの精度で検査を行う。これは従来型の顕微鏡が検出できる精度を大きく上回るものであり、癌の発見や予後診断をより早期に、かつ正確に行うことが可能となる。試作のシステムでは、胸部、大腸、食道など様々な器官において、既存の癌を発見し、将来的な癌を予見する機能が示されている。
アジア — $5,000相当の製品
Indian Institute of Science, インド — 申請者:Shilpa Dilipkumar
MESO (Multiple Excitation Spot Optical)顕微鏡検査法のように、時間的かつ空間的な超分解能を備えた、新しい蛍光顕微鏡検査技術の開発に着目した研究に対して。また、Dilipkumar氏と彼女のチームは、顕微鏡検査イメージング (ベッセル光線の利用)や、細胞生物学におけるアプリケーションのためのマルチ焦点イメージングに多機能性を加える、特定の光学イメージングアプリケーションのための適用点像分布関数 (PSF)エンジニアリング技術も開発した。 これらの光学的アプローチとは別に、リアルタイムイメージングを可能にするノイズフリーのイメージ再構築のための計算手法も開発されている。さらに彼女のチームは、専用のマイクロ流体チップとナノスケールの断層撮影法を使用した、イメージサイトメトリーアプリケーションについても研究している。
ヨーロッパ — 3,000ユーロ相当の製品
Università degli Studi di Roma "Tor Vergata", イタリア — 申請者:Luca Giovannelli
人工衛星アプリケーション向けに最適化されたモノリシックアプローチに基づいた、ファブリーペローCSE (Capacitance Stabilized Etalon)の開発に対して。Giovannelli氏と彼のチームは、ADAHELIミッション (ADvanced Astronomy for HELIophysics)の狭帯域チャンネルの研究の一環として、研究室環境で実験用試作機の光学ベンチテストを設計し、構築した。ADAHELIは、小規模な低予算の人工衛星ミッションで、太陽フレアの観測や、太陽大気の異なる層での活動を研究するために設計されている。この試作機は、撮像可能性と高分解能 (10^5)を備え、スペクトル線の高速スキャン (数十秒)を達成できる設計である。ADAHELIは、フレア発生中の粒子加速の研究を通じて、宇宙の天気を理解するために、太陽光球と太陽彩層を、高い時間レート、空間レート及びスペクトル分解能で観察する研究に取り組んでいる。
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