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Fナンバー (レンズの絞り/開口の設定)
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社

Fナンバー (レンズの絞り/開口の設定)

本ページはイメージングリソースガイドセクション2.4です

レンズのFナンバー設定は、全体的な透過光量や被写界深度、また特定空間周波数におけるコントラスト性能など、レンズのパラメータの多くを調節します。Fナンバーは、理論的にはレンズの開口径 (DEP)に対する焦点距離 (EFL)の比で求められます。

(1)$$ f/ \# = \frac{\text{EFL}}{D_{\text{EP}}}$$

大抵のレンズでは、Fナンバーは絞り調節用リングを回すことで調節でき、レンズ内部に搭載したアイリス絞りの開口を開いたり、閉じたりすることで行います。リング部に書かれたFナンバーの数字は、その開口径によって得られるレンズの透過光量の大きさを表します。その数字は、通常√2倍の大きさ毎に段階的に増加していきます。Fナンバーが√2倍増えると (即ち隣の数字に上がると)、絞りの開口の大きさが半分になり、レンズの透過光量を½に減らします。Fナンバーの低いレンズは、「明るいレンズ」を意味し、より多くの光をシステム内に取り込むことを可能にします。これに対して、同ナンバーの高いレンズは、「暗いレンズ」を意味し、少ない光量を取り込むことを意味します。

Table 1は、焦点距離 25mmのレンズに関するFナンバーや開口径、及び実質的な開口面積を紹介した一例です。F1からF2に移動した時の開口径と開口面積の大きさの変化や、F4からF8への同パラメータの大きさの変化にご注目ください。開口径は½の大きさになり、開口面積は¼の大きさに変わることがわかります。レンズのFナンバーが増えることで、透過光量がどう減っていくかがこの一例でおわかりいただけると思います。

Fナンバーレンズ開口径 (mm)開口面積 (mm2)
1 25.0 490.8
1.4 17.9 251.6
2 12.5 122.7
2.8 8.9 62.2
4 6.3 31.2
5.6 4.5 15.9
8 3.1 7.5

Table 1: f=25mmの単レンズに関するFナンバーと開口面積の関係: Fナンバーの大きさが増えると、開口面積の大きさが小さくなり、透過光量のより少ないイメージングシステムになっていく

Fナンバーによるレンズの解像力、コントラスト、被写界深度への影響

Fナンバーは、透過光量の大きさだけでなく、別のパラメータにも影響を及ぼします。特に、レンズの理論的な解像力やコントラスト限界、及び被写界深 度や焦点深度に直接的に関係します。加えて、特定レンズデザインの光学的収差にも影響を及ぼします。

センサーの画素サイズがどんどん小さくなっている昨今、Fナンバーはシステム性能を決定付ける最も重要な制限因子の一つになっています。というのは、Fナンバーによって被写界深度と解像力の性能が互いに逆向きに働くからです。Table 2は、画質に関する各種パラメータ全てを同時に改善することが不可能で、アプリケーションに応じて何らかのパラメータを妥協していかなければならないことを端的に表わしています。

Fナンバー回折限界時の解像力被写界深度透過光量開口数 (NA)
f/# Performance Changes Diffraction Limited Resolution Performance Changes Depth of Field Performance Changes Light Throughput Performance Changes Numerical Aperture Performance Changes

Table 2: Fナンバーが変化すると、レンズ性能も変わる

Fナンバーは作動距離の変化に伴い変わる 

公式1に紹介したFナンバーの定義は、作動距離 (撮影距離)が無限遠、即ち光学倍率的には実質ゼロ倍の場面に限定されたものです。ほぼ全てのマシン ビジョンアプリケーションにおいて、物体はレンズに対して無限遠よりも遥かに短い距離に実際配置されています。この時のFナンバー、即ち有効Fナンバーは、作動距離も考慮に入れた下記公式2によって定義されます。

有効Fナンバーに関する本公式において、mは光学倍率 (レンズにより得られる像高の物高に対する比)を表わします。この公式で、mがゼロに近づく (即ち物体の位置が無限遠の距離に近づく)と、有効Fナンバーは無限遠時に定義されたFナンバーと同じになることにご注目ください。より小さな作動距離で考える際は、無限遠時に定義されたFナンバーではなく、有効Fナンバーの方を考えていくことがとても重要です。例えば、F2.8のf=25mmレンズを-0.5Xの倍率で使用する時、実質的なFナンバー、即ち有効Fナンバーは4.2になります。この値がレンズの集光能力同様、画質にも影響を及ぼします。

(2)$$ \left( f/ \# \right)_w \approx \left( 1 + \left| m \right| \right) \times \left( f/ \# \right) $$

Fナンバーと開口数 (NA) 

レンズの全体的な透過光量について検討する際、レンズが光を取り込むことのできる最大角度 (最大推角)、即ち開口数 (Numerical Aperture; NA)の概念から考えた方がよりわかりやすい場合があります。レンズの開口数 (NA)は、像空間側での周辺光線 (Marginal Ray)の正弦関数で定義し、Figure 1の図のθの正弦関数で表わされます。

Fナンバー (f/#)とNAには、反比例の関係があることにも理解しておくことが重要です。

(3)$$ \text{NA} = \frac{1}{2 \cdot \left( f/ \# \right)} $$

Figure 1: 単レンズ (a)と現実的なシステム (b)各々におけるFナンバーの視覚的再現

Table 3は、レンズの絞りリングに書かれた代表的なFナンバー値 (√2倍毎にステップ)と、それに対応する開口数の関係を表わします。

FナンバーNA
1.4 0.36
2 0.25
2.8 0.18
4 0.13
5.6 0.09
8 0.06
11 0.05
16 0.03

Table 3: FナンバーとNAの関係

開口数を用いた表記法は、Fナンバーとは対照的に、顕微鏡学の世界において特に汎用的に用いられます。しかしながら、顕微鏡用対物レンズに規定されるNAの値は、物体側からの光の集光がより重要になることから、物空間側での推角で規定されていることを理解するのが重要です。なお余談ですが、興味深い事 例として、無限系でデザインされた顕微鏡用対物レンズを物像側逆向きに配置し、マシンビジョン用対物レンズとして使用することもあります (この時、対物レ ンズの像側が無限遠に焦点を結びます)。

Fナンバーが解像力にどのような影響を及ぼすかについての詳細は、MTF、回折限界、及びエアリーディスクに関する項目はセンサーへの周辺光量 – ロールオフ (周辺減光)と口径食で解説していきます。

Fナンバーは、以下のセクション全てに影響を及ぼすため、必ず理解してください。

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