マッハツェンダー干渉計の構築

マッハツェンダー干渉計の構築

マッハツェンダー干渉計とは?

マッハツェンダー干渉計は、平行な2本の光ビームの相対的な位相差を測定するシンプルな干渉計です。この位相差は、微小な変位、透過型オプティクスの透過波面誤差、透明材料の屈折率、風洞の空気の流れなどの測定に用いることができます。

マッハツェンダー干渉計は、レーザーなどのコヒーレント光源、2つのビームスプリッター、2つのミラーで構成されています (Figure 1およびFigure 2)。まず、光源を1つ目のビームスプリッターで2つの光路に分岐します。2つのビームはそれぞれ同じ光路長(進む距離×媒質の屈折率を)を持っています。それぞれのビームはミラーで反射し、2つ目のビームスプリッターで再結合されます。2本のビームの光路長に光源のコヒーレンス長以下の差があると、干渉縞が発生します。光源のコヒーレンス長はとても短いため、精密な部品の使用や、精密なアライメント作業がきわめて重要になります。 試料は光路のいずれかに配置することで測定が可能です。干渉縞の変化を観察することで、結果的に生じる光路長差を測定することができます。

マッハツェンダー干渉計の典型的な光学系の概略図
Figure 1: マッハツェンダー干渉計の典型的な光学系の概略図。
エドモンド・オプティクスの在庫販売品で構成された卓上型マッハツェンダー干渉計システム。
Figure 2: エドモンド・オプティクスの在庫販売品で構成された卓上型マッハツェンダー干渉計システム。

エドモンド・オプティクスの在庫販売品を使用したシステム

Figure 2のようなシステムは、以下のガイドに従って組み立てることができます。  

サブアッセンブリ

各光学サブアッセンブリは卓上ブレッドボードに追加し、オプティカルレールを介して光軸に沿って容易にスライドさせることができます。オプティカルレール用キャリアの上に配置された小型直動ステージは、光軸方向や直交方向の微調整を容易にします。

光学ベース

商品コード 品名 数量
#03640 アルミ製ブレッドボード U1/4 610 x 305 1
#54929 マイクロオプティカルレール 500mm 2

光源

商品コード 品名 数量
#86848 Coherent StingRay LD モジュール 520nm x 5mW 1
#59099 5V ユニバーサルACアダプター 1
#18291 E-Series 19.1mm ID Adapter 1
#15866 Eシリーズ キネマティックマウント 25/25.4mm 1
#59760 ステンレス製マウントポスト M6 63.5mm 1
#58973 ポストホルダー M6 76.2mm 1
#58992 ポスト用カラー 1
#16714 高荷重対応アリ溝ステージ 30 x 30mm 1
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 1
光源のサブアッセンブリ
Figure 3: 光源のサブアッセンブリ。

アイリス絞り

商品コード 品名 数量
#53914 アイリス絞りASSY 12mm U8 2
#58963 ステンレス製マウントポスト U8 63.5mm 2
#58973 ポストホルダー M6 76.2mm 2
#58992 ポスト用カラー 2
#16714 高荷重対応アリ溝ステージ 30 x 30mm 2
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 2
アイリス絞りのサブアッセンブリ
Figure 4: アイリス絞りのサブアッセンブリ。

平凹レンズマウント

商品コード 品名 数量
#64552 レンズホルダー M6/U1/4 6mm 1
#48690 平凹レンズ 6 x -15 VIS 0° 1
#59760 ステンレス製マウントポスト M6 63.5mm 1
#58973 ポストホルダー M6 76.2mm 1
#58992 ポスト用カラー 1
#16714 高荷重対応アリ溝ステージ 30 x 30mm 1
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 1
平凹レンズマウントのサブアッセンブリ
Figure 5: 平凹レンズマウントのサブアッセンブリ。

平凸レンズマウント

商品コード 品名 数量
#13787 コンパクトレンズマウント 25/25.4mm M4 1
#62573 平凸レンズ 25.4 x 76.2 VIS 0° 1
#58953 ステンレス製マウントポスト M4 63.5mm 1
#58973 ポストホルダー M6 76.2mm 1
#58992 ポスト用カラー 1
#16714 高荷重対応アリ溝ステージ 30 x 30mm 1
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 1
平凸レンズのマウントサブアッセンブリ
Figure 6: 平凸レンズマウントのサブアッセンブリ。

投影用レンズマウント

商品コード 品名 数量
#13787 コンパクトレンズマウント 25/25.4mm M4 1
#47917 両凹レンズ 25 x -25 VIS 0° 1
#58953 ステンレス製マウントポスト M4 63.5mm 1
#58973 ポストホルダー M6 76.2mm 1
#58992 ポスト用カラー 1
#16714 高荷重対応アリ溝ステージ 30 x 30mm 1
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 1
投影用レンズマウントのサブアッセンブリ
Figure 7: 投影用レンズマウントのサブアッセンブリ。

ミラー付きジンバルマウント (2セット)

商品コード 品名 数量
#54999 ジンバルマウント M6 25-25.4mm 2
#64015 λ/10 反射強化アルミコートミラー 25mm 2
#59759 ステンレス製マウントポスト M6 50.8mm 2
#58972 ポストホルダー M6 50.8mm 2
#58992 ポスト用カラー 2
#66393 クロスローラーステージ 30mmソリッド サイド ミリマイクロ 2
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 2
ジンバルマウント付きミラーサブアッセンブリ
Figure 8: ジンバルマウント付きミラーサブアッセンブリ

ビームスプリッター付きジンバルマウント (2セット)

商品コード 品名 数量
#54999 ジンバルマウント M6 25-25.4mm 2
#34413 λ/10 プレート型B/S 25mm 50R/50T 2
#59759 ステンレス製マウントポスト M6 50.8mm 2
#58972 ポストホルダー M6 50.8mm 2
#58992 ポスト用カラー 2
#66393 クロスローラーステージ 30mmソリッド サイド ミリマイクロ 2
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 2
ジンバルマウント付きビームスプリッターサブアッセンブリ
Figure 9: ジンバルマウント付きビームスプリッターサブアッセンブリ。

全部品のリスト

商品コード 品名 数量
#03640 アルミ製ブレッドボード U1/4 610 x 305 1
#54929 マイクロオプティカルレール 500mm 2
#11164 マイクロベンチキャリア ミリパターン 30mm 10
#16714 高荷重対応アリ溝ステージ 30 x 30mm 6
#66393 クロスローラーステージ 30mmソリッド サイド ミリマイクロ 4
#58972 ポストホルダー M6 50.8mm 4
#58973 ポストホルダー M6 76.2mm 6
#58992 ポスト用カラー 10
#59760 ステンレス製マウントポスト M6 63.5mm 2
#58953 ステンレス製マウントポスト M4 63.5mm 2
#59759 ステンレス製マウントポスト M6 50.8mm 4
#58963 ステンレス製マウントポスト U8 63.5mm 2
#86848 Coherent StingRay LD モジュール 520nm x 5mW 1
#59099 5V ユニバーサルACアダプター 1
#15866 Eシリーズ キネマティックマウント 25/25.4mm 1
#18291 E-Series 19.1mm ID Adapter 1
#53914 アイリス絞りASSY 12mm U8 2
#64552 レンズホルダー M6/U1/4 6mm 1
#48690 平凹レンズ 6 x -15 VIS 0° 1
#13787 コンパクトレンズマウント 25/25.4mm M4 2
#62573 平凸レンズ 25.4 x 76.2 VIS 0° 1
#47917 両凹レンズ 25 x -25 VIS 0° 1
#54999 ジンバルマウント M6 25-25.4mm 4
#64015 λ/10 反射強化アルミコートミラー 25mm 2
#34413 λ/10 プレート型B/S 25mm 50R/50T 2

マッハツェンダー干渉計のアライメント

レーザー、アイリス、およびレンズは、正確に同じ光軸上に配置する必要があります。これらの部品は、オプティカルレール上を移動しても光軸が変わらないことが理想です。オプティカルレールのキャリア上にステージを設置し、レールに垂直な方向に水平移動できるようにします。

  1. レーザーモジュールの取り付け
    • レーザーモジュール(φ19.1mm)をアダプター#18291#15866 に固定します。
    • これにより、レーザーの角度を簡単に調整することができます。
    • レーザービームがオプティカルレールに対して水平になるように、マウントの角度を調整します。
    レーザーモジュールの取り付け
    レーザーモジュールの取り付け
    Figure 10: レーザーモジュールの取り付け
  2. レーザーの光軸のアライメント
    • アイリスサブアッセンブリを使用して、システムのすべての部品の光軸の中心を一定に保つことができます。
    • アイリスの中心にレーザーを照射します。
    • アイリスをオプティカルレールにスライドさせながらキネマティックマウントを調整し、全領域でレーザーがアイリスの中心に来るようにします。
    レーザーの光軸のアライメント
    Figure 11: レーザーの光軸のアライメント
  3. 平凸レンズの光軸のアライメント
    • 焦点距離の長い平凸レンズは、レンズユニットを左右にスライドさせながら光軸を調整します。
    • ポストでレンズの高さを調整し、アリ溝ステージで光軸を垂直方向に調整します。
    焦点距離の長い平凸レンズの光軸のアライメント
    Figure 12: 焦点距離の長い平凸レンズの光軸のアライメント。
  4. 平凹レンズの光軸のアライメント
    • 焦点距離の短い平凹レンズを光路に配置します。
    • レンズユニットを左右にスライドさせながら、光軸を調整します。
    • ポストでレンズの高さを調整し、アリ溝ステージで光軸を垂直方向に調整します。
    焦点距離の短い平凹レンズの光軸のアライメント
    Figure 13: 焦点距離の短い平凹レンズの光軸のアライメント。
  5. ビームエキスパンダーを形成するレンズの位置決め
    2つのレンズサブアッセンブリをアイリスの前に配置し、ビームエキスパンダーを形成する。
    Figure 14: 2つのレンズサブアッセンブリをアイリスの前に配置し、ビームエキスパンダーを形成する。
  6. ミラーとビームスプリッターのアライメント
    • 干渉縞を得るには、2 つの光路長を等しく (またはほぼ等しく)、更に合波後のビームが重なり合う必要があります。
    • Aに1つ目のビームスプリッターを配置し、レーザーを2つに分割します。ビームを再結合させるために、もう1つのビームスプリッターをDに配置します。
    • A-B-D の光路長と A-C-D の光路長が同じになるように配置してください。
    • このとき、ミラー/ビームスプリッターマウントのエッジがビームを遮らないように注意する必要があります。
    • Dで反射するビームとDを透過するビームが重なるようにします。
    • D付近とDから遠い2点でビームが重なるように2つのミラーの位置と角度を調整してください (Figure 5)。
    ミラーとビームスプリッターのアライメント
    Figure 15: ミラーとビームスプリッターのアライメント。
  7. 干渉縞のチェック
    • Dの後に拡大レンズを加えると、干渉縞を識別しやすくなります。
    • 干渉縞を得るためにオプティカルレール上のステージ位置とミラーマウント角度の微調整が必要になります。
    エドモンド・オプティクスの在庫販売品で構成されたマッハツェンダー干渉計セットアップの完成形。
    Figure 16: エドモンド・オプティクスの在庫販売品で構成されたマッハツェンダー干渉計セットアップの完成形。

その他の資料

このコンテンツはお役に立ちましたか?

関連製品

 

 
販売や技術サポート
 
もしくは 現地オフィス一覧をご覧ください
簡単便利な
クイック見積りツール
商品コードを入力して開始しましょう